シャーロック・ホームズ危機一髪 【発見】

Sherlock Holmes Faces Death (1943) アメリカ
監督:ロイ・ウィリアム・ニール
出演:ベイジル・ラスボーン、ナイジェル・ブルース
原作:アーサー・コナン・ドイル 『マスグレーヴ家の儀式』

■あらすじ
名門マスグレーヴ家は、このあたりでは最も古いといわれる邸宅を将校の療養のために貸しており、軍医になっていたワトソン博士は住み込みで治療を行っていた。
その屋敷で事件が起き、ワトソンの話を聞いたホームズが調査に乗り出す。

■雑感
ベイジル・ラスボーン版のシャーロック・ホームズでは4作目。
このシリーズは映像化された当時の物語に脚色されているのが特徴です。
『孤児ダビド物語』では冷酷な鬼義父として震え上がらせてくれたベイジル・ラスボーンですが、ホームズ役では眼光は鋭いものの優しげな表情もあり、頼れる切れ者という雰囲気。

■編みどころ
屋敷で療養中の大尉のひとりが編んでいます!
細い金属針で、イギリス式の編み方で小物を輪編みしていて、床に落ちている毛糸玉や編み針をホームズが手に取る場面もあります。
軍人の療養所という設定は脚色で、原作に編み物は登場しません。

囚われのサーカス 【発見】

Adam Resurrected (2008) ドイツ/アメリカ/イスラエル
監督:ポール・シュレイダー
出演:ジェフ・ゴールドブラム、ウィレム・デフォー、デレク・ジャコビ、アイェレット・ゾラー

■あらすじ
1961年、アダムはホロコーストの生存者のための施設であるサイズリン研究所に収容された。
読心術や不思議な身体能力もあり、戦前はベルリンの舞台で人気を博していたアダムは、強制収容所の総司令から受けた仕打ちによって心に深い傷を負っている・・・。

■雑感
演劇的に描かれていて、背景の悲惨な状況はあまり前面に出ていません。
ヨラム・カニュク著の原作があるのですが日本では出版されておらず・・・そもそもこの作家の翻訳はされていないのでしょうか。

■編みどころ
研究所のグロス博士は患者に実験的な治療を試みており、編み物もその一例のようです。
数人が車座で編んでいる様子が2回ほど登場!
左の人差指に糸を巻き付けている持ち方が見られ、輪針で平編みもありました。

台詞に登場 #14

セックス・アンド・マネー (2006)

学生時代からの友人である4人の女性、結婚して裕福なのが3人(うち2人は家庭崩壊の危機)、お金がない1人は男運がなくメイドの仕事をしている。

わりと淡々としていて、女の友情物語ってわけでもないです。

4人はそれぞれのパートナーと、難病の募金パーティに出席します。
オークションにはいろいろ出品されていて、そのリストを見た1人が
女優がセーターを 編んでくれるって
字幕も吹き替えも同じですが、英語では
Reese Witherspoon will knit me a sweater.
ちょっと欲しいかも。いくらになるでしょうね?


ハイスクール・ミュージカル2 (2007)

前作から引き続き・・・
トロイとガブリエラの仲を裂こうとシャーペイが企む。

シャーペイが打ったゴルフのボールが当たりそうになったチャドの台詞

日本語字幕
ゴルフ やめろ
英語
Thats my girl. That girl needs to take up knitting.
吹き替え
編み物でもやれよ
編み物でもとは何ですか、でもとは!!
「待ってなさい」とか「おとなしくしてろ」「留守番してて」みたいなシチュエーションで、こういう言い方をよく見かけるような気がします。それほど深い意味は無いのかな?

グース 【発見】

Fly Away Home (1996) アメリカ
監督:キャロル・バラード
出演:ジェフ・ダニエルズ、アンナ・パキン、ダナ・デラニー、テリー・キニー

■あらすじ
交通事故で母親を亡くした少女エイミーは、幼い頃に別れた父親の住むカナダの農場にやってきた。父親にも環境にも馴染めず孤独を感じているとき、沼地に取り残されたカナダガンの卵を見つけて持ち帰る。
翌日、孵化したヒナたちが最初に目にしたのはエイミーの姿。
ママになった彼女は16羽の子供たちに飛ぶこと、渡りのことを教えなくてはならない。
奇しくもエイミーの父親の趣味は、手作りのグライダーで空を飛ぶことだった・・・。

■雑感/編みどころ
父親が住んでいる地区は、野原や沼地などの自然が広がっています。
そこへ開発の手が入ろうとしている件について住民の集会があり、出席しているご婦人のひとりが編んでいました。

右手の人差指に糸をかけていて、その状態のまま針に引っかけるような編み方をしています。なんだか指がつりそう!

恋の方程式 あなたのハートにクリック2 【発見】

The Third Wheel (2002) アメリカ
監督:ジョーダン・ブラディ
出演:ルーク・ウィルソン、デニス・リチャーズ、ジェイ・ラコポ、ベン・アフレック

■あらすじ
スタンリーは新入社員のダイアナに一目惚れ。すぐさまデートに誘おうと誓ったものの、奥手なため実行に移せず一年経ってしまう。その頃、ダイアナが男と別れたとの情報が入り、仲間も手伝って用意周到な計画を立て観劇に誘うことに成功した。

■雑感
2ってことは、1を先に見たほうがいいのかな? なんて心配は無用でした。
「ツー」じゃなくて、「クリッククリック」だったという・・・なんじゃあそりゃああ!! と、この程度のことでいちいち怒っていたら辛くなるので、さらっと流しましょう。

たしかにパッケージは「クリック²」だし、ちゃんとそう書いてあるところもあるけど、内容と関係ないのにわざわざこんなめんどくさい表現にする必然性が見当たりません。意味不明な邦題を付けて「変なタイトルの割には面白かった」とでも思わせたいのでしょうか。

まあ、編み物発見!効果で目が曇っているせいもあり、意外と悪くなかったですけどね~。
中途半端な妄想シーンがあったりして妙な感じ。

■編みどころ
映画の中の劇 “AMERICA” で、建国の頃からの様子を語る人物が入れ代わり立ち代わり舞台に現れる中、おばあさんの話をする女性が登場。
棒針の編み物を手に椅子に腰掛けていて
表編み1回 裏編み2回
表編み1回 裏編み2回・・・
と言いながら退場します。
残念なことに、編み物は持っているだけで手を動かしてくれません。

明日は来らず 【発見】

Make Way for Tomorrow (1937) アメリカ
監督:レオ・マッケリー
出演:ヴィクター・ムーア、ボーラ・ボンディ、フェイ・ベインター、トーマス・ミッチェル

■あらすじ
とても仲の良い老夫婦バークとルーシーは、経済的な事情から家を手放すことになった。
5人の子供たちはそれぞれ家庭を築いているが、さほど余裕があるわけではない。
とりあえずということで、夫婦は別々に引き取られることになる・・・。

■雑感
とにかく老夫婦がお互いを思いやること新婚時と変わらず、またそれ以上です。
それに引き換え子供たちは薄情ではないのだけど、いろいろと事情もあり・・・ん?こんな話あったよねと思ったら、出典は未確認ですが『東京物語』ほか小津作品に影響を与えたと言われており、なるほどと思う部分が多々あります。

■編みどころ
微妙に発見。

ルーシーが世話になっている家で、息子夫婦が外出する際のこと、
息子の妻がルーシーに
編み物するんでしょう?
英語では
But you’ll be busy with your rug, won’t you?
これ、編み物違うんじゃ・・・?(まあまあ、そうカタいこと言わずに)
Rug Hooking、いわゆるフックド・ラグのことだと思います。
角度調整できる譜面台のようなスタンドに張ってあるもの(おそらくラグ)に向かって座っていて、手元は見えませんが脇のテーブルに毛糸などが置いてあります。
簡潔に言い表すには「編み物」がわかりやすいのかな。

別の場面、女中のメイミーに「あげるわ 私が作ったの」と編み物を渡します。
畳まれているのでわからないけど、かぎ針編みの膝掛けのようなものに見えました。

終りなき生命を 【発見】

1967年 日活
監督:吉田憲二
出演:和泉雅子、山内賢、望月優子、岡田英次

■あらすじ
昭和39年の北海道、小神須美子は工場で働きながら洋裁学校に通い、早朝から農家の手伝いもして家計を助けている。ある日突然、脚に違和感があり、たいしたことなかろうと思っているうち下半身が動かなくなる・・・。
実話である闘病記を基にした映画。

■雑感/編みどころ
病院で須美子と同室の女性が、レース編みらしきかぎ針編みをしています。
のちに編み物を須美子に教える場面
2目編んで
次の目に長編み4目入れるのよ
そうして熱心に編み物していると、他の女性が声をかけ須美子が答えます
あんまり無理しないほうがいいよ
1枚120円で 編み終わるまでに5日はかかるんだから
からだ壊したら元も子もないよ

でも120円欲しい
自分で働けるなんて 夢のようだもん
別の場面では枕元に編みかけのものが置いてあったりします。
何を編んでいたのでしょうね・・・。
白いレース糸のようだったので、テーブルクロスかソファカバーとか?

ラスト、須美子は前向きに生きて行こうと決意し、上半身のトレーニングをしつつ、できることにチャレンジしています。その中に、編み機の使い方を学んでいる場面がありました!

贋作 【発見】

パトリシア・ハイスミス著
Ripley Under Ground (1970) 上田公子 訳

■あらすじ
前作『太陽がいっぱい』から6年後の話。
トム・リプリーは資産家の娘エロイーズと結婚し、それなりに何不自由なく暮らしている。それなりに、というのは義父からの援助なしには邸宅での生活を維持できず、すべて頼るわけにもいかないので、怪しげな仕事で収入を得ているため。

エロイーズとの結婚は打算ではなく彼女からのプロポーズで、トムも価値観の一致するエロイーズをいとおしく思っている・・・もちろん、すべてを打ち明けられるわけではないのだが。
そんな静かな生活の中、トムが関係する画廊のビジネスで問題が起こる・・・。

■雑感
トムが前作の事件でちょっとした有名人であり、警察にも真っ白でない微妙な立場でありながら、何でそんなことをという危険な綱渡りをします。かと言ってアドレナリン中毒なのではなく、トムとしては平穏な生活を守りたいだけ。けれど好感の持てる人物を放ってはおけない、という結果そうなってしまうのです。
贋作画家バーナードに対して感情移入して、あわやという事態に・・・。
物語は続編としても単体としても面白かったです。

■編みどころ
編みシーンはないのですが・・・。

トムは3年前に結婚してからフランス在住、今回の事件の発端であるアメリカ人のマーチソンとロンドンで会い、イギリス土産について会話する場面。トムがエロイーズのために、カーナビー通りでパンツを一着買ったと言うと、マーチソンも妻のために買い物したという話で
「・・・
毛糸を買うこともあるんですよ。家内は編物をやるんでね、自分の編んでおる毛糸が伝統あるイギリス製だと思うだけで気分がいいんでしょうな」
ふむふむ。どんな毛糸だったのかな?

そのほか、終盤トムが手頃な箱が必要になったとき、家政婦のマダム・アネットが取ってあった靴の箱を見つけて
箱の中にはきちんと巻かれた残り毛糸の玉が入っている。
マダム・アネットが編み物するってことでしょうね。


本作の映画化『リプリー 暴かれた贋作』(2005)を見てみました。
トム役がバリー・ペッパーというのはいかがなものかで、私のイメージするトムとは(エロイーズも)違っていました。でも、この映画はかなり脚色されていてコミカルなところもあり(原作も笑える展開はあるので、それを拡張していった感じでしょうか)、原作とは別物として、これはこれで悪くないかも。
編み物に関することは出てきませんでした。

関連記事:
リプリー終わり
リプリーシリーズ3作目
太陽がいっぱい 【発見】

ザ・パック 餌になる女 【発見】

ねえ、最近あっち系の映画はどうなってる?
えっ、あっちってどっち? ああ、こっちか。
それがね・・・ちょっと不漁続きで・・・あ、ちょっと待って!
活きのいい餌、いや、ネタが入ったのよ。 食べてく?

一応ホラーの部類になっているので苦手な方はご注意ください。
※少し内容に触れています。

La meute (2010) フランス/ベルギー
監督:フランク・リシャール
出演:ヨランド・モロー、エミリー・ドゥケンヌ、バンジャマン・ビオレ、フィリップ・ナオン

■あらすじ
田舎道を運転していたシャルロッテは、ヒッチハイカーのマックスを拾う。食堂に立ち寄ったら、マックスがトイレに行ったまま戻って来ない。探しても見当たらず、出て行った形跡もない。不審に思って閉店後に忍び込んでみると・・・気がついたときは檻の中だった。

■雑感
タイトル、ジャケ写真からすると、責められた挙句パック詰めにされる話か・・・と取れそうな猟奇モノめいたイメージで売り出していますが、化け物が出てくる一種のファンタジーです。
監督は新人らしいけど役者陣は意外に豪華。

シャルロッテは若いわりには修羅場もくぐったようなワケありの一人旅で、マックスは薄汚いけどよく見るとイケメン、話してみると悪人ではなさそう。序盤、シャルロッテとマックスが食堂でお茶していると、中年バイカー3人が入ってきて絡みます。
リーダーがジョー、子分がジョンとジョーダン、彼らの名前の由来もふざけてる。
この3人が本当にろくでもなくて、そこがこの映画の肝かな、と思います。

■編みどころ
こいつらが廃鉱のぼた山にある小屋に住んでいて(というより入り込んで寝泊りしてるだけ?)マットレスしかないベッドにジョーとジョンが腰掛けています。

ジョンはグリズリーってあだ名で、食堂に登場したときは強面だったのに、なぜかクマちゃんて感じのキャラになってて、アメリカ式のような手つきで棒針編みしているんです!
小屋の窓ガラスにショットガンを撃ち込まれても気にせず編み続けています。
その後、小屋から外の化け物に皆が銃撃している間は、お部屋で読書(本が上下逆)してるし、どうなっちゃってるんでしょう~。

途中から編み物発見!効果もあり異様に面白くなりました。
しょうもない人間がしょうもないことをやってる中年バイカーたちと、必死の思いのシャルロッテとマックスのちぐはぐな可笑しさが、自分的にツボで絶妙すぎ。
低い評価に惑わされず、食ってみてよかった♪♪ (個人の感想です)

台詞に登場 #13

ドクター (1991)

外科医のマッキーは、ジョークを飛ばしながら軽く手術をこなす日々だった。
自らに病気が見つかり治療することになって初めて、患者の苦悩や医療の冷たさを知る。

病院の待合室で、患者のバーバラというおばあさんが毛糸玉を落とし、マッキーが拾ってあげます。ある日彼女が亡くなったときの、患者のジューンの台詞
バーバラは何ヶ月も
孫娘のために
ショールを編んでたわ
そして仕上げたの
この話からすると、いつも待合室で編んでいたのでしょうね。


ラマになった王様 (2000)

インカみたいな国の若い王様は気まぐれでやりたい放題。
補佐役の魔女をクビにしたら彼女に暗殺されそうになり、間違ってラマの姿になった。
ディズニーのアニメ映画です。

王様はラマ飼いの農民パチャに助けられます。
たぶんパチャが着ていた緑色のポンチョのことだと思いますが
毛織りか?
アルパカの?

そうです

やっぱり
ナイスだ

妻が作った

手編みか?

かぎ針で

そう いいね

どうも
編んだポンチョという質感はありませんでした・・・。