The Unborn (1991) アメリカ
監督:ロッドマン・フレンダー
出演:ブルック・アダムス、ジェフ・ハイエンガ、ジェームズ・カレン
一応ホラーの部類になっているので苦手な方はご注意ください。
※邪悪な赤ちゃんモノです。かなり内容に触れています。
■あらすじ
ヴァージニアとブラッドは、必ず成功すると評判の医師の不妊治療を受けた。
妊娠して喜んだのもつかの間、同じ治療を受けた妊婦に異常が起きたり、すでに誕生していた幼児の行動がおかしかったりする。不安要素が積み重なるうち、胎内で意思を持っているような反応がありヴァージニアはついに闇中絶医のもとへ。しかしその夜、家で休んでいるヴァージニアに赤ちゃんの泣き声が聞こえ、その声に導かれるようにゴミ箱から赤ちゃんを連れ帰る。
医師は遺伝子操作で優秀な子供を作るのが地球のためだと信じていた。
化け物を作るために体を利用されたと怒るヴァージニアに、「君たちを苦しめて申し訳なかったが もう母体は必要ない」と嬉しそうにガラス容器の中で育つベビーたちを見せる。もちろん、ヴァージニアが許すはずもなく・・・。
■雑感
『アンボーン』(2009)と同じ原題だけど無関係。
この系統の映画は70~80年代に数多く作られていますが、本作は90年代の作にしては映像が古臭いです。ベビーの姿はいかにも異形っていうより変顔のおっさんみたいで、金剛力士像の顔にも似てます。
巷の評価は低いけどまったくダメ映画なのかというとそうでもなく、ブルック・アダムスの好演もあって悪くないと思います。ジェームズ・カレンがもっと怪演してくれると良かったのですが。
編みどころ以外の注目点、オープニングタイトルからおおっ!?と思った音楽はゲイリー・ニューマンでした。これもあって捨てがたい映画になっている気がします。のちにインストアルバムとしてリリースされた
Human (1995) には、映画で使用された以上に多くの曲が収録されています。
OP曲
Gary Numan & Michael R. Smith – Human (The Unborn Soundtrack) – “The Unborn”
編み針のシーンの曲もある!
Gary Numan & Michael R. Smith – Human (The Unborn Soundtrack) – “Needles”
素晴らしい~。
■編みどころ
編みシーンはありませんが・・・。
ヴァージニアの母親から小包が届き、中には白い毛糸と編み針が入っています。「編み物なんてできるのか?」というブラッドの言葉ですが、赤ちゃんが表紙の編み物本も一緒に入っていました。
その後、ソファの上に編み物があったので少し編んでみたのかなと思います。
ヴァージニアが中絶したと聞いて動転し出て行ったブラッドは、やり直そうと戻ってきます。そこで見たものはヴァージニアに抱かれているベビーの姿。自分の姿を見て驚くブラッドに怒り、ベビーは手近にあった編み棒をブラッドの顔めがけて・・・。
このシーンはこの映画いちばんの見どころと言っていいでしょう!
かなり念入りに作られています。何度もスロー再生してしまいました。
赤ちゃんの体格からするとやり投げくらいのサイズ感で、見事にキメています。
B級ホラー好きの方にはおすすめできます。
この監督はパッとしないんですが、『アイドル・ハンズ』(1999)でも編み物発見!に貢献してくれているのが不思議。
続編 “The Unborn II”(1994) というテレビ映画が『オーメン1999』(!)の邦題で出ています。発売元が変わったので『チャイルド・ショック2』にはできなかった、というかその気もなかったのでしょうか。
内容は・・・前作からさほど月日が経っていない頃、邪悪な赤ちゃんを育てている主人公(前作とは違う)は、ベビーの様子がかなりおかしいにもかかわらず、マインドコントロールされている感じで面倒を見ています。
その頃、赤ちゃんや子供が殺される事件が発生。犯人は別の被害者女性で、邪悪な赤ちゃんたちを始末しながら主人公のもとにもやってきますが、主人公を助けるように見えた男(前作の狂博士の弟子)にやられます。正気に返ってベビーと対決しようとした主人公は・・・というものです。
ベビーの姿は前作よりも『悪魔の赤ちゃん』(1974)に近くて酷いです。
編み物も出てきませんし、あえて見なくてもよかったと思いますが、見てみなければわからないので結果的にこんなものばかり見ているような・・・。
その後:
前述の『オーメン1999』のビデオに『オーメン黙示録』(1996)という映画の予告編が入っていまして・・・これが気になって仕方ないので鑑賞したところ、中世イタリアを舞台にしたクラシックな悪魔もので(もちろんオーメンシリーズとは無縁)なかなか良かったです。で、『オーメン黙示録』のビデオに入っていた『オーメン1999』の予告編が笑えました。
オーメン、オーメン2、オーメン最後の闘争・・・・新オーメン(ここから徳間ジャパンの販売)、そして「オーメン1999」などと宣伝していて、新オーメンの時点で何の関係もないものを持ってきて既成事実を作っているという恐るべき戦略が。オーメンっていう言葉を一般名詞?とすればこれもありなのか。”The Unborn II” は「チャイルド・ショック2」にできなかったのではなく、自社のオーメンシリーズの格好の素材だったというわけなんですね・・・。