汚れなき祈り 【発見】

Beyond the Hills (2012) ルーマニア/フランス/ベルギー
După dealuri
監督:クリスチャン・ムンギウ
出演:コスミナ・ストラタン、クリスティーナ・フルトゥル、ヴァレリウ・アンドリウツァ

■あらすじ
孤児院で育った二人、ヴォイキツァは修道女になり、アリーナはドイツで働いていた。
アリーナは一緒に働きながら生活するつもりでヴォイキツァと再会するが、信仰の道に入った彼女とは相容れない。ヴォイキツァだけが心の支えであったアリーナは発作を起こして病院へ。
退院して修道院で様子を見ることになったが・・・。

■雑感/編みどころ
ルーマニアで実際に起きた事件を基にしています。

修道女のひとりが棒針編みをしていました。
左の人差し指に糸を何度も(5回以上!)巻き付ける持ち方です。
この編み方、結構見ますね。

台詞に登場 #16

アンジェラの灰 (1999)

1930年代アメリカ、アイルランド移民の一家が生活が立ち行かず故郷に戻る。
失業手当を酒代に使ってしまう夫、子供たちを抱えた妻、暮らしを支えようとする長男の話。

アンジェラは息子フランクにアイリッシュダンスを習わせます。
レッスンに行く途中に会った友達にからかわれ
次は料理作って編み物か?
Theywill? – Nextyou’ll be knitting socks.
ダンスなんぞは女子のすることだという引き合いに出されています。
まあ、子供の言うことですから・・・。

それ以来フランクは、ダンス教室に行くフリをして映画を観て過ごしました。


サバイバル・オブ・ザ・デッド (2009)

死者が蘇りゾンビ化するようになった世界。
プラム島のオフリン一族とマルドゥーン一族は、ゾンビの扱いをめぐって対立し、敗北して島から追放されていた族長パトリック・オフリンが、助っ人を連れて戻ってきた。

パトリックの農場だった土地にはゾンビが徘徊し、多くの者は力尽きています。
赤い毛糸の帽子を被って倒れている女性を前にした彼の台詞
手編みの帽子だ
"母の編んだ帽子だけは奪わないでくれ" と言われた
船でこの島に送ったが
死なせる気はなかった
えー、そう言われましても何のことやら。
この女性が亡くなった際に、母親から「自分が編んだ帽子は取らないでほしい」と言われたということのようです。

アルバート氏の人生 【発見】

Albert Nobbs (2011) アイルランド
監督:ロドリゴ・ガルシア
出演:グレン・クローズ、ミア・ワシコウスカ、ジャネット・マクティア、アーロン・ジョンソン

■あらすじ
19世紀のダブリン、アルバートはホテルで住み込みのウェイターとして長年働いてきた。
ある日、ホテルに塗装の仕事でやってきたヒューバートと同じ部屋で寝るよう、女主人から命じられる。仕方なく従うが、アルバートが実は女性であることが知られてしまい・・・。

■雑感/編みどころ
アルバートはコツコツとお金を貯めて、もう少しで小さな店を持てそうなところ。
妻を持つヒューバートと親しくなるうち、自分にも結婚という道があると思うようになり、暖炉のある部屋で編み物する妻を夢想します!(小さな店の二階の住まいってことでしょうか)

棒針編みで、一瞬だけど左手で糸をかけているようにも見えました。
その前の場面でベッドの上にかぎ針編みのブランケットあり。

観ていたのに全然気がついてなくて、とらのママさんに教えていただきました。
(別のところを何度も見すぎていた?)

カルテット! 人生のオペラハウス 【発見】

Quartet (2012) イギリス
監督:ダスティン・ホフマン
出演:マギー・スミス、トム・コートネイ、ビリー・コノリー、ポーリーン・コリンズ、マイケル・ガンボン

■あらすじ
ビーチャム・ハウスは引退した音楽家たちのためのホーム。
かつてのオペラ界のスターが入居してきたが、彼女はすでにここで暮らしている三人と過去に因縁があり、騒動が起こる・・・。

■雑感
ダニエル・シュミット監督のドキュメンタリー『トスカの接吻』(1984)が、原作の原案になっているとは観てから知りました。これに触発され “Vissi d’arte” の楽譜を買って練習したのを思い出します・・・(あの赤い表紙の楽譜は何処へ?)
本作からは、ドキュメンタリーほど「歌に生き」が感じられませんでした。
ドラマとしてはまあ面白かったです。

■編みどころ
ホームでは若者や子供との交流会があるようで、子供がピアノやバイオリンを弾くのを聴いたり、一緒に演奏したりする場面があります。
そこで入居者のご婦人が聴きながら、イギリス式の手つきで編んでいました!
背景的にちょこっとの登場です。

デイヴィッド・コパフィールド (一) 【発見】

チャールズ・ディケンズ著
David Copperfield (1850) 石塚裕子 訳(岩波文庫)

映像化をいろいろ見たので今度は原作です。
岩波文庫の5巻中2巻まで読みました。
今のところ編み物が登場したのは1巻めだけです。

新訳との事で、読みやすくてわかりやすく、語り手である主人公が幼い頃から始まることもあって、かなりくだけた調子です。ちょっと面白可笑しく訳しすぎではないかと思うほどで、機会があれば他の訳と比較してみたいです。

映画『孤児ダビド物語』(1935)と『デビッド・コパーフィールド』(1999)は、主人公の幼少期と青年期で半々の時間が割り振られていましたが、原作では幼少期は2巻めの最初のほうで終わっているので全体の1/4程度でしょうか。そこまでは忠実な映像化という感じです。

映画は後半の展開が性急だなと思いましたが、この分量を圧縮していたのでは無理もありません。映画では少ししか触れられなかったことが、この先、読み進めていくにつれ詳細に語られるのかと思うと楽しみです。

あとわかったことは、ペゴティは主人公の母の乳母かと思っていたけど、結婚前から父のところにいたようです。とてもふくよかであるという以外は年齢も不詳。


編みシーンは簡単に書かれているだけなのでちょっと物足りませんが・・・。
ミセス・ガミッジが編んでいること、義父の姉がビーズをしていることも映画で見たとおり。おばさんのビーズ作業は、どういうものだかわかりませんが、この人はメタリックなものが好きらしく
小粒のぴかぴか光る鋼色のビーズを糸に通していく
とありました。

3巻め以降も発見がありますように!

緋色の街/スカーレット・ストリート 【発見】

Scarlet Street (1945) アメリカ
監督:フリッツ・ラング
出演:エドワード・G・ロビンソン、ジョーン・ベネット、ダン・デュリエ

■あらすじ
クリスは銀行の出納係として勤続25年、宴席を設けてもらい、社長から記念の懐中時計を受け取り感激する。5年前に結婚したが、妻は愛情を持っておらず騙されたようなもの。日曜に絵を描くのが唯一の楽しみであった。
宴席の帰り道にキティという若い女と出会ったことで、そんな生活が一変することになる。

■雑感/編みどころ
真面目な熟年男が小悪魔に翻弄されるという、ありがちな設定ではありますが、終盤に事件になり最後は・・・。

宴会場のドアの前に、番をしているような女性が椅子に腰掛けており(クローク?)、金属の細い棒針で編んでいました。編み方はちょこちょこした感じで、たまにこういう手つきを見かけるのですが、本当に編めているのかどうかはわかりません・・・。

台詞に登場 #15

アフリカ珍道中 (1941)

チャックとフレイザーは、人間大砲や人間発電機といった見世物でアフリカを巡業している。チャックが思いついた危険なショーをフレイザーがこなしてきたおかげで蓄えもできたが、チャックが無断でダイヤモンド鉱山に投資してしまい・・・。

チャックは次の見世物は大ダコとの格闘にしようと、水槽に入れたタコを運ばせます。
こんなものを相手にしたら殺されてしまうと恐れをなすフレイザーの台詞
編み物をさせればいい
同時にセーターを4枚編める
出た! タコと編み物!!
この関連付けを映画の中で見つけたのは初めてかも・・・。


WASABI (2001)

警察官のユベールは、昔の彼女ミコが死んだとの知らせを受け東京へ。
存在を知らされていなかった娘のユミ(広末涼子)と出会う。
ミコの死に不審なことがあり、ユミも狙われユベールが大暴れする。

80年代に特殊任務に就いていたユベール。情報員仲間のモモと再会し・・・
もう情報員じゃないんだ
ただのデカさ
平穏な毎日だ

隠すなよ
編み物でも始めたか?
編み物ではなくゴルフをしていたようです。残念~。

ユミが登場時に、水色のホルターネックのかぎ針編みっぽいタンクトップを着用。
ヒステリックグラマーの衣装らしく、”HYSTERIC” のアルファベットと星形がパッチワークかモチーフで付いています(着替えた緑色のタンクトップも同様)。

こういうかぎ針編みのような既製品って手編みなんでしょうか?
かぎ針の手編み機なんてあるのかしら??

マーシャル・エンジェル 【発見】

Chuet sik san tau (2001) 香港
Martial Angels、絶色神偸
監督:クラレンス・フォク
出演:スー・チー、チャン・チーラム、テレサ・マク、ケリー・リン、テレンス・イン

■あらすじ
キャットは高価な宝石を狙う泥棒チームの一員。
同業のチーヤンと出会って意気投合するが、彼と別れてからはすべてを忘れようと盗みをやめ、堅気の仕事に就いて新しい彼氏もできた。
そんな折、ロシアマフィアがチーヤンの命と引き換えに取引を迫る・・・。

■雑感
いろいろと安直で陳腐なところがあるけれど、アクション、お色気、コメディなどには期待せず、湿っぽいラブストーリーを主に見ればまあまあ(編み物発見!効果発動)・・・サブの男女の絡みがちょっと面白かったです。

■編みどころ
足を洗ってOLになっているキャットは、久々に会った昔の仲間と自分の部屋へ。
ソファに置かれた編みかけのものを見つけた仲間にからかわれます。
編み物なんかしてるの?
まるで主婦ね

うるさいわねえ
編みシーンはないのですが、太糸のポップな感じのものが引きずり出されました。

ジェニファー・ラブ・ヒューイットのセレブリティ 【発見】

Confessions of a Sociopathic Social Climber (2005) アメリカ
監督:ダナ・ラスティグ
出演:ジェニファー・ラヴ・ヒューイット、コリン・ファーガソン

■あらすじ
小さな広告会社で働くカチャは、業界でのし上がるのが夢。
これまでは何とかうまくやってきたが、ボロが出始め転落しそうになる。
同じオフィスビルで働く憧れの男性とデートしていい感じになったが・・・。

■雑感
前半は主人公の自己中さが印象悪くてどうかなと思ったけど、見慣れると憎めない奴に思えてきたり・・・でも近くにいたらちょっと・・・。
カチャのところへ来た青年アシスタントが何も知らない坊やって感じだったのに、実は猫をかぶって様子を見ており、本当は野心家だったというのが笑えました。

■編みどころ
広告会社の、受付の女性が編んでいます!
太い針でボーダー柄のものをアメリカ式で編みながらの台詞

英語では
Knit, one. purl, two.
日本語字幕
針を通して 糸を掛ける・・
吹き替え
ニットは手編みに限るわ
うーん、掛け声みたいなものかな。

ANTIBODIES -アンチボディ- 死への駆け引き 【発見】

Antikörper (2005) ドイツ
監督:クリスティアン・アルヴァルト
出演:ヴォータン・ヴィルケ・メーリング、アンドレ・ヘンニッケ、ハインツ・ホーニヒ、ノーマン・リーダス

■あらすじ
いたいけな者ばかりを標的にした連続殺人の容疑者が逮捕された。
ミハエルが警察官を務める小さな村でも数年前に少女が殺され、彼は村人に疑いの目を向けざるを得ない事態に苦しんでいた。この事件も同じ容疑者の犯行だと思いたいが証拠が無く、ミハエルが尋問することになった・・・。

■雑感
インパクト大のジャケ写真、いかにも事件そのものを描いていそうですが心理ドラマでした。
自分は抗体を持っているのかな?・・・病原体のほうだったりして。

■編みどころ
ミハエルの妻が、輪針を使って平編みしています!
左の人差し指に糸を2回巻きの持ち方です。
なんとなく、ドイツ方面にこの構えが多い気がします。