『モル・フランダーズ』 ダニエル・デフォー
Moll Flanders (1722) 伊澤龍雄 訳(岩波文庫)映画版『モル・フランダース』(1996)に編み物が少し登場したのをきっかけに興味はあったものの、この映画化がピンと来なかったので掘り下げは後回しにしていました。
でも他の映像化があるらしい・・・と見てみたドラマ版『モール・フランダース 偽りと欲望の航海』(1996)が面白かったので、原作を読まねば!となった次第です。
■あらすじ
上巻表紙より
女主人公モル・フランダーズの60年は、牢獄で生まれ、情婦12年、人妻5回(うち1回は実の弟)、流刑8年という波瀾にみちたものだった。その彼女も最後は裕福になり、遺産贈与の証書を息子に渡す。そして、牢獄で再会した昔の夫とともにイギリスに戻り、過去の邪悪な生活を悔いつつ余生を送る日々であった。波瀾万丈すぎるのでは・・・。
■雑感
残念ながら編み物は登場しません。
原作はドラマ版に近いですが、主人公がやむにやまれず悪事を働くこと、運命のいたずらによって窮地に追い込まれてしまうことなどがより強調されています。かなり言い訳臭い感じもしますが、仕方ないのでしょう。当時の社会で女性が一人で身を立てる大変さは伝わってきます。
ちなみにドラマ版で描かれていたのは前半生まででした。
デフォーというと子供の頃の愛読書だったロビンソン・クルーソーの作者のイメージしかなかったけど、本人も波瀾万丈な人生を送ったようです。他の作品も読んでみるつもり。
上記2つの映像化以外の映画化作品に編み物が登場していました。後日紹介します。