台詞に登場 #6 【発見】

変身パワーズ (2002)

父は一族に伝わる変身術を封印していたが、妻を人質に取られやむなく悪事に協力する。変身術を知らない息子が祖父の手ほどきを受け、悪者に立ち向かうコメディ。

エンディングクレジットの途中で出てきます。
お前のために 夜なべして
編んだセーターだよ
と言って曲芸のコブラに見せているのは縞々の筒状に編んだモノ。
なるほど、蛇のセーターって筒で良いのか・・・。
でも長さ20cm位しかないのでセーターというよりネックウォーマー?


ブラザー・ハート (2003)

弟が自殺に追い込まれ、世捨て人だった兄が復讐に立ち上がる。

薬物の売人をしていた弟、隠語として wool という言葉が使われ、
留守電に吹き込まれていたのは
今夜のパーティで 友達を紹介するわ
ウールを30グラムね
英語では「彼女がセーターを編んでいて、ウールが1オンス必要」と言っています。
編み物をイケナイ事に使わないように!


ラブリーボーン (2009)

変質者の犠牲になった少女が天国と地上の間に留まり、犯人を追及する家族を見守る。

母親が編んだ帽子を娘に持たせる場面
これ 何?

あなたの新しい帽子

編み物 また始めたの?

ずっと続けてるわよ
娘は母が編んだ帽子をかぶるのに忍耐を要する様子。見えないところでバッグにしまうけど、帰りに家が近づくと取り出すあたりは気を使っているのでしょうか。
耳当てとシルクの三つ編みの付いた可愛い帽子なのに・・・多感な年頃?
妹に至っては「あなたも欲しい?」という母の問いに怖気を震う始末です。

深夜の告白 in コロンボ 【発見】

Double Indemnity (1944) アメリカ 『深夜の告白』
監督:ビリー・ワイルダー
出演:フレッド・マクマレイ、バーバラ・スタンウィック、エドワード・G・ロビンソン

■あらすじ
保険外交員の男が拳銃で撃たれながらも事務所にたどり着いた。
同僚に残すため、録音機に向かって語り始めた内容とは・・・。

■雑感/編みどころ
とある企みを持って列車に乗り込んだ男は、最後部の展望車へと向かいます。
その途中、フランス式らしき小さな動きで編んでいる乗客がいます。
・・・と、ここまではチェック済みでしたが、台詞にも注目!

旦那が気難しく、一晩中黙って座っていることもあるという女性と、保険外交員との会話
私はただ編み物

そのために結婚したの?

毛糸を持ってる姿が好きで

指が疲れたら? 僕なら編物なんかさせない
とりとめもない会話のようだけど、二人の心の動きが見て取れそうな場面です。


Ransom for a Dead Man (1971) アメリカ 『刑事コロンボ/死者の身代金』
監督:リチャード・アーヴィング
出演:ピーター・フォーク、リー・グラント、パトリシア・マティック

■あらすじ
弁護士のレスリーは夫を殺害して誘拐事件に見せかけた。
夫とは再婚で、血の繋がらない娘マーガレットがいる。
娘はレスリーによってスイスの寄宿学校へ入れられていたが、父の誘拐の報を聞いて帰ってきた。やがて彼女はレスリーが怪しいと疑い始める。

■雑感/編みどころ
編みシーンはありませんが・・・。

マーガレットが朝からテレビのクラシック映画を夢中で見ており、これがなんと前述の『深夜の告白』の台詞の場面なのです! 映画の内容も後妻が夫を殺害する偽装殺人だし、前妻との娘が疑いを持つというのも共通点があり、面白い演出です。

ニットも見どころがあって、マーガレットが手編みの帽子やベストを着用、レスリーがピンク系のグラニースクエアブランケットをかけてソファで横になったりします。

注目したのはベストで、クルーネックでバストを境に上下の色が分かれていて、下は黒の単色、上は縦縞(リブ?)・・・引き上げ編みかイギリスゴム編みのように見えます。最初に着ていたのはえんじの縞、次に色違いでグレーと黒の縞も登場します。ウエスト周りの黒い部分が腹巻的な感じで、膝上丈のスカートと組み合わせて非常に脚長効果です。
マーガレットはメガネっ娘で、このファッションとぴったり。

台詞に登場 #5 【発見】

ゴースト/ニューヨークの幻 (1990)

サムとモリーは新居で何もかも順調だったが、ある日サムが強盗に襲われてしまう。

ゴーストになったサムの存在がモリーにはわからない。エセ霊媒師オダ・メイにはサムの声が聞こえるが、それをモリーに伝えても信じてもらえない。
そこで二人しか知らないことをいろいろとオダ・メイに言ってもらう場面

英語
Sam: The sweater she knitted, in the closet, that’s too big.
Oda Mae: He just told me about the sweater that you knitted that’s too big. Four sizes.
字幕
戸棚に彼女の編んだ セーターが・・・

戸棚に あんたの編んだセーターがあるって
本当でしょ?
吹き替え
彼女が編んだセーターのこと でかすぎて しまってある

今サムが あんたが編んだセーターのこと聞けってさ
でかすぎて戸棚に放り込んであるやつのこと
バカでかだって

文字数が限られているので仕方ないけど、またしても字幕が情報不足。
サイズのことを言ってないので “Four sizes” も訳されていません。
4サイズ分大きいってことでしょうか? いったいどれだけだろ~?

リナ・ウェルトミューラー監督作3本 【発見】

Kino Classics Lina Wertmuller Collection の3枚組みBoxで鑑賞。
以前からMimiが見たかったのですが、日本版が一向に出ません。
待ちくたびれたので海外版でもと思い、どれも未見だからBoxにしてみたら、なんと他の作品にも発見がありました!
この3本は同時期で、テーマや出演者が似通っています。

Mimì metallurgico ferito nell’onore

The Seduction of Mimi (1972) イタリア 邦題『ミミの誘惑』?
出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ、マリアンジェラ・メラート、テューリ・フェッロ

■あらすじ
シチリア島の労働者ミミは、マフィアの不正選挙に逆らったため村に居られなくなる。
妻を残してトリノに働きに出たが、編み物をしながら路上販売しているフィオレに心奪われ・・・。

■雑感/編みどころ
2年後の『流されて…』ではマダム顔のマリアンジェラ・メラート(今年亡くなりました)が、この作品では若々しくて可愛い女です。ちょっと杏(あん)と似ている?

路上ではアメリカ式のような、ややぎこちない手つきで棒針編み。
フィオレの部屋には毛糸のかせがいくつも吊り下げられ、かせくり器なども見えます。
ざっくり軽めな感じの多色のランダム横縞セーター、カラフルな幾何学模様のパッチワーク風(かぎ針編み)、マフラー、ショールなど様々登場。
大胆な色柄も、無造作に着こなすのがイタリアンやねん~。
スクリーンショット(Blu-ray.com)


Film d’amore e d’anarchia, ovvero ‘stamattina alle 10 in via dei Fiori nella nota casa di tolleranza…’

Love And Anarchy (1973)  イタリア 邦題『愛とアナーキーの映画』?
出演:ジャンカルロ・ジャンニーニ、マリアンジェラ・メラート、リナ・ポリト

■あらすじ
30年代のイタリア、ムッソリーニ暗殺をもくろむ男が、協力者サロメの売春宿にやってきた。
そこで出会った娘と深い仲になり・・・。

■雑感/編みどころ
Mimiと同じ黄金コンビが出演していますが、今回は相手役ではありません。
編みシーンはないのですが・・・。

出先の農家の納屋でいちゃついていると、あるじが部屋を使えと言ってくれます。
部屋には編みかけか繕いかけの靴下が紙箱に入れて置いてあり、とじ針?が刺さっていました。地方の農家出身の主人公は故郷を思い出し「両親の実家みたいだ」「母親もいつも編み物をしていた」と懐かしそうに語ります。


Tutto a posto e niente in ordine

All Screwed Up (1974) イタリア
出演:ルイジ・ディベルティ、リナ・ポリト、ジュリアーナ・カランドラ、ニノ・ビニャミーニ

■あらすじ
イタリア南部の若者2人はミラノに働きに出た。すぐに同じような境遇の出稼ぎ者たちと知り合い、職も得て共同住宅で暮らし始める。メイドやコックとして働くも生活は苦しく、やがて男は空き巣を企み、女は通りに立つようになる・・・。

■雑感/編みどころ
Mimiと同じく、南部から都会へ出た労働者の話ですが、他2作とは違って群像劇。

近代的なオフィスビルが立ち並ぶ中に取り残されたような安アパート、中庭に面した外廊下は夫婦喧嘩の罵声が飛び交ったり洗濯物が干してあったりと生活感いっぱい。
ご婦人2人が椅子に座り、セーターなど膝に置いてかぎ針を使っているように見えました。

また、通りに立つ女性のひとりがモチーフつなぎのポンチョのようなものを羽織っています。一辺が15cmくらいの黒ベースのグラニースクエア風で、手を出すスリットは繋ぎ目ではないところにあります。これはもしかしてブランケットをリメイクしたのかも?
他にも赤ちゃんものや手編みっぽいウェアも登場しました。


リナ・ウェルトミューラー監督作では『セブン・ビューティーズ』(1975)にも編み物が出てきました。この発見率はなかなかのものではないでしょうか。
違う監督だけどジャンカルロ・ジャンニーニが出演している『セッソ・マット』(1973)、『スナックバー・ブダペスト』(1988)にも編み物が登場するし、この周辺をもっと掘り起こしたいです。

キャンプ中

そういえば山登りをしていました。
ベースキャンプから見える4つの頂の、一番手前の低いところにアタックし、行きつ戻りつして2cm登りました・・・って進んでない!

しばらく編み込みの手袋など編んでいなかったので忘れていたけど
細い指を編むホセ・・・なんだっけ?(メンドーサ=面倒さ (>_<)\バキッ!!)
・・・

今のところの方針は、これはこのまま片方を仕上げる。
いろいろ問題点があるので改善箇所を検討。
この糸であらためて1組編むか、別の糸で編んでみるかという感じです。
手袋編みはライウワークというつもりで、途切れないように地道に続けます・・・。

1週間の成果

ベストの編み直しは解いたところまで進みました。
浮き目だと、ざらっとした織物みたいな雰囲気になります。

ちょっと心配なのは毛糸が足りるかどうか。
廃番糸なので使い切ると終わりです。
まあ、実はそれほど心配してなくて、なるようになれという感じで・・・。

今更ながら気づいたのは、前後の身頃を続けて編んでいるのでこういう縞の間隔だけど、脇から上は分けて編むから間隔が変わりますね。
そうかそういう問題があったのか。。。
でも、別にたいしたことないや。というか、着る人は言わないとわからなそうで。
さすがに糸が足りなくなって全然違うのを使ったら気がつくかな?

グロリアの憂鬱 【発見】

¿Qué he hecho yo para merecer esto!! (1984) スペイン
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:カルメン・マウラ、ヴェロニカ・フォルケ、チュス・ランプレアベ、アンヘル・デ・アンドレス・ロペス

■あらすじ
グロリアは2人の息子、夫と姑とでアパート暮らし。
夫はお金をくれない。清掃の仕事をしてもお金が足りない、息子の歯科治療費も払えないし精神安定剤も買えない。頑張っているのに夫は理解がない。みんな好き勝手ばかり。
すべてが限界に達したとき、剣道の素振りが役に立って・・・!?

■雑感/編みどころ
グロリアを訪ねてきた隣人に姑がドアを開け、編み物をしながら応対します!
嫁は1日中出かけてるからね
私も編物で忙しいんだよ
赤い毛糸とプラ針で、素早いイギリス式の感じ。

またチュス・ランプレアベ(Chus Lampreave)と編み物が絡みました。
最後に田舎に帰る母親役というのも『私の秘密の花』と同じです。
彼女は監督作の常連で、最初に見た『バチ当たり修道院の最期』(1983)の「どぶ鼠尼」役でも思ったけど、浦辺粂子とイメージが重なります。最近はまた一段と。

アルモドバル監督作では『ボルベール 帰郷』もニットの登場は多かったし、まだ見ていないものもたくさんあるのでチェックしてみよう。

ヨーク軍曹 【発見】

Sergeant York (1941) アメリカ
監督:ハワード・ホークス
出演:ゲイリー・クーパー、ウォルター・ブレナン、ジョーン・レスリー

■あらすじ
田舎の農夫アルヴィン・ヨークは、母と弟妹たちと暮らしているが、毎日飲んだくれては騒ぎを起こしていた。信仰心もまるで無かったが、ある時から考えが変わる。やがて第一次世界大戦が始まると、不本意ながら戦場に向かうが・・・。

■雑感
戦争ばかりの映画かと思っていたけど、前半は主人公の故郷での暮らしぶり、荒れ地での実りが少ない農作業や良い土地への憧れ、恋愛などが描かれています。従軍することになってからの後半も、戦うことについての素朴な疑問がメインです。
私はゲイリー・クーパーには、この映画のような生真面目ゆえの可笑しさがある役柄が合うと思っています。やりすぎず、嫌味が無くて爽やか!

■編みどころ
編んでいないけど気配はじゅうぶん。

田舎で気ままにしていた頃、幼かったグレイシーに久しぶりに会ったアルヴィンは、彼女が美しい娘に成長しているのを見て驚き、結婚を考えます。

家に帰るとアルヴィンの母親が紡ぎ車を使って、羊毛か他の繊維かわかりませんが、長い梳き毛みたいなのを太めの糸にしてしていました。後の場面では何かを縫っており、手を入れていたので靴下などの繕い物かもしれません。

アルヴィンが再びグレイシーの家を訪れると、近くに住むゼブもまた彼女を誘おうとやって来ていて、グレイシーはゼブの手に毛糸のかせを持たせて糸玉に巻いているところ。
アルヴィン「編み物か」
グレイシー「手伝ってくれてたの」
という具合ですが、やんちゃなアルヴィンとゼブの間に一悶着あります。

私の秘密の花 【発見】

La flor de mi secreto (1995) スペイン/フランス
監督:ペドロ・アルモドバル
出演:マリサ・パレデス、ファン・エチャノベ、ロッシ・デ・パルマ、チュス・ランプレアベ、マヌエラ・ヴァルガス、ホアキン・コルテス

■あらすじ
レオはアマンダというペンネームでロマンス小説を書いている。
このところ夫とうまく行かず、小説も契約どおりのものが書けない。
新聞の編集者に惚れられたりもするが、夫と破局し自暴自棄になってしまう。しかし故郷に帰る母に付き添ううち、心境にも変化が起きるのだった。

■雑感/編みどころ
編みシーンはありませんが・・・。

目が悪くなってきたと言う母親に、レオがアマンダ(自分)の新刊を渡すと
「読めないよ 編物だって大変さ」と言われます。
日本語字幕では編物としか出ませんが、かぎ針編みのことだと思います。
母親が手編みらしきショールをかけていたり、登場人物のニット着用もいくつかあり。

母の田舎では、5人ほどの女性が屋外で腰掛けてボビンレースを編んで(織って?)いて、世間話をしたり歌ったりしながらも忙しく手を動かしていました。