ホラー・シネマ・パラダイス 【発見】

All About Evil (2010) アメリカ
監督:ジョシュア・グランネル(ピーチズ・キリスト)
出演:ナターシャ・リオン、ジャック・ドナー、トーマス・デッカー、ノア・セガン、カサンドラ・ピーターソン、ミンク・ストール

※ホラーコメディです。苦手な方はご注意ください。
※内容に触れています。

■あらすじ
デボラは内気な女の子。ヴィクトリア劇場という小さな映画館を営む父から「スターの素質」を持っていると言われ、ハリウッド女優になるという期待をかけられている。それに応えようと舞台に上がって歌うが、緊張のあまりおもらしをして感電してしまった(母親は舞台の袖で大笑い)。

時は流れ、図書館員として働くデボラ。亡き父の遺志を継ごうと、劇場をホラー専門の深夜映画館として営業を続けていたが、劇場を売ることにした母はデボラをいたぶって書類へのサインを迫る。追い詰められたデボラはペンを母親の首へ・・・タガが外れた彼女は13金のジェイソンの母が乗り移ったかのよう。自分の「スターの素質」に悦に入るデボラ。その一部始終は防犯カメラに収められていた。

やがて映画が始まらないことに騒ぎ出す(まばらな)観客に気づき映写室へ向かったデボラは、あれこれ操作するうち防犯カメラの映像を再生してしまう。これが本物とは知らない観客に大ウケし、短編映画「監視カメラ殺人」は評判を呼び次作も期待される。こうして殺人映画を撮り始めることになった。

撮影や後始末を率先してやってくれる老映写技師のミスター・トウィグスに加え、7歳から11年病院に入っていた殺人犯の双子、路上強盗犯の男を仲間にして精力的に制作するデボラだったが・・・。

■雑感
タイトルをはじめ、クレジットに出てくるポスター、作中のパロディ映画などあまたの作品にオマージュを捧げているのに加え、ホラー映画好きの高校生スティーブンの母親役が『エルヴァイラ』の人だったり(部屋に貼ってあるエルヴァイラのポスターを本人が見るシーンが良い)、ジョン・ウォーターズ映画の常連ミンク・ストール、監督のピーチズ・クライストが出演もしているなど話題には事欠きません。ジョン・ウォーターズ、フランク・ヘネンロッターも絶賛しているとか。

双子も強盗男も面白いキャラですが、ジャック・ドナーが演じるミスター・トウィグスを一押しです。デボラは誰かに似ているような気がするんだけど・・・思い出せません。映画の結末はちょっと悲しいですが、今のご時世、仕方ありませんね。

■編みどころ
最初の自主製作映画は『二都物語』のパロディでした。
18世紀風の衣装でギロチンの前で編み物をしているデボラ。この編地がなんだか大物です。棒針編みでスカラップ模様みたい。どこから持って来たんでしょう?
編み針で痛くする場面もあり(ハッキリ言いますとグサッとやってます)。

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