台詞に登場 #3 【発見】

ハード・デイズ・ナイト (1964)

ビートルズ主演のドキュメンタリー風コメディ・音楽映画。
旧題『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』

TVディレクターが深いVネックのたっぷりしたセーターを着ています。
ほわほわモヘアのような毛糸で編まれていて、これについてメンバーが
ダサいセーターだ
愛妻の手編みさ
笑える
うーん、確かに登場した時から目を引いていましたが・・・。
ゲイへのあてこすり的な台詞かもしれないけど、細かいニュアンスはわかりません。


アイル・ビー・ゼア (2003)

ロック歌手が自殺未遂?という報道で、密かに彼の子供を育てていたシングルマザーが動揺する。シャルロット・チャーチの初出演映画。

庭でサッカーボールを蹴って遊ぶ中年男二人。
シュートが決まらない相手に
年だな 編み物でもしてろ
またまたネガティブ発言。いけませんね。


オーシャンズ12 (2004)

『オーシャンズ11』(2001)の続編。
盗んだ金を返せと迫られ、新たな盗みをせざるを得なくなったメンバーたち。

主人公の窮地を救うため、彼の妻テス(演:ジュリア・ロバーツ)が本物のジュリア・ローバーツに化けます。本物の出身地やミドルネーム、ペットの数などを教え込まれる場面で
趣味はクロケーと編み物
(You like croquet and knitting)
編み物好きは有名だけど、クロッケーってゲートボールの元になったスポーツのこと?
クロケットと読むのかと思ってました(それだとコロッケになるか・・・クリケットと紛らわしいし、わけわからん)。

この台詞は吹き替えにはあるけれど、日本語字幕では省略されています。2人の男性がまくし立てるので台詞が多すぎると思いますが、肝心なものを削ってはいけません。

そんなガキなら捨てちゃえば? 【発見】

Fun Size (2012) アメリカ
監督:ジョシュ・シュワルツ
出演:ヴィクトリア・ジャスティス、ジャクソン・ニコル、ジェーン・レヴィ、チェルシー・ハンドラー

■あらすじ
高校生最後のハロウィン・パーティに出掛けるつもりだったレンは、母親から8歳の弟アルバートの子守を頼まれた。仕方なく弟を連れていく途中、はぐれてしまって大変なことに・・・。

■雑感/編みどころ
便乗タイトル? どうせたいしたことなかろうと思っていたら意外と楽しめました(アルバートが服を切るいたずらは笑えない~)。子供映画のようだけど、親たちの様子やピンク・フロイド、ビースティ・ボーイズの小ネタなど、幅広い年齢層のつかみもOK。

レンの母親はブリトニー・スピアーズの仮装をして若いボーイフレンドと彼の友人宅のパーティへ。トイレを探して入った部屋は、なんと両親の寝室。
彼らはベッドに入っており、父親は読書、母親は編み物しています!
2本針でアメリカ式だと思いますが、手を止めているのが残念・・・。

アホ息子と生真面目そうな父親、天然かと思えば常識もある母親というこの家族が妙に可笑しくて、その後居間でレン母との会話も面白かった。
レンに恋してるオタクの母親2人もオバマ大統領のタペストリーを作ったりしていて、言うことも変だし・・・結局子供たちのほうがまとも?

タイトルが出るときに使われていた曲が良い感じ。
Magic Wands – Black Magic

ラスト、コーション 【発見】

Se, jie (2007) アメリカ/香港/台湾/中国
色・戒
監督:アン・リー
出演:トニー・レオン、タン・ウェイ、ワン・リーホン、ジョアン・チェン

■あらすじ
第二次世界大戦中、日本軍占領下の上海で、易(イー)夫人の邸宅で麻雀に興じるマダムたち。最近、そこに商人の若妻マイ夫人が加わった。彼女の正体は工作員ワン・チアチーで、抗日活動を取り締まる立場である特務機関員のイーを暗殺するために潜り込んでいる。
やがてイーを誘惑することに成功し、暗殺決行のときが来た・・・。

■雑感/編みどころ
チアチーは香港にいた大学生の頃、兄を抗日戦で亡くしたクァンの誘いで愛国劇に参加。彼の熱意により、劇を演じる仲間たちは暗殺という実際の活動に向かいます。

その劇中に編み物が登場!
幕が開いた舞台の上、眠っている母の傍で娘(演:チアチー)が編んでいます。
濃いグレーの毛糸で、ちらっと見ではイギリス式に近い感じ。
その後、舞台上の物語では兄が戦死し、別の兵士(演:クァン)に「これは兄のために編んだものよ」と言って手渡します。
マフラーみたいに見えますが、畳まれていてよくわかりませんでした。

石井裕也監督作2本 【発見】

川の底からこんにちは (2010)

出演:満島ひかり、遠藤雅、志賀廣太郎、稲川実代子

■あらすじ
「しょうがない」が口癖のOL佐和子は、上京して5年目で5つ目の職場。
5人目の彼氏の健一は、妻に逃げられたらしい子連れの課長。
何事も「中の下」である自分には分相応だと諦めている。
訳ありで家を出てから帰る気も無かったが、父親が入院したとの知らせが入る。エコ好きの健一は田舎で家業のしじみ工場を継ぐことに積極的で、仕方なく帰ることに・・・。

■編みどころ
珍しく、編み物男子です!
健一が佐和子のためにセーターを編んでいますが・・・。

自分が着ているベスト(模様や襟がズレたような水色のVネック、こんな変なの衣装として作ったんだ!?って感じ)と「同じタイプでいいんだよね?」 とか「ステッチの感じはどう?」と聞いてくるのに対し、佐和子が興味がなくてかみ合わないのが可笑しいです。
まあ、すべてにおいてこんな調子ですけどね。
編みシーンが背景的にではなく、会話にも出てくるのがポイント高いです。

セーター用の毛糸も水色で棒針編み、左の人差し指に糸をかけているからフランス式ぽいけど、独特なギコギコした編み方。力みすぎなのでは?
何も見ないで編んでいるので、そこのところはなかなかやるな~って思います。
途中でも編んでいて、最後には無事完成。

意外と登場が多くて大発見でした!


舟を編む (2013)

出演:松田龍平、宮崎あおい、オダギリジョー

■あらすじ
出版社では「大渡海」という新しい辞書を作ることになった。
儲けを生まない辞書編集部は人材不足に悩んでいたが、営業部が肌に合わない様子の馬締(まじめ)が来てから編集作業は順調に進む。そして13年後「言葉の海を渡る舟」と銘打った辞書がようやく完成した。

■編みどころ
辞書の完成間近、高齢の監修者(加藤剛)が病院で休む傍ら、妻(八千草薫)が編み物を手にしています。編み進めるというまでは行きませんが、右手の指に糸がかかっていたのでアメリカ式かな。これはご本人の構えなのでしょうか?ちょっと気になります。


今回も、むさんに『舟を編む』のことを教えていただきました。
情報ありがとうございます!
“編む” と “映画” でよく検索にかかるので気になっていましたが、本当に編み物が出てきていたのですね。
その関係でチェックしているうち『川の底・・・』でも発見できて二毛作的収穫!

ロード・ジョン・グレイ3作目

『ゲールの赤き火影』 ダイアナ・ガバルドン

The Scottish Prisoner (2011) 加藤洋子 訳

『アウトランダー』シリーズの登場人物のひとり、ロード・ジョンが主人公の物語。
現在読んでいる本編(20)より十数年前の話です。
過去2作はジョンがメインだったけど、今回はジェイミーがかなり登場して、まだ幼い息子への愛情やクレアと子供を案ずる思い、それを見守る?ジョンの心情などが綴られており、スピンオフというより本編とセットで両方美味しくなるという内容でした。

このシリーズの読みどころにジョンの恋愛がありますが・・・前作にも登場していた人物と深い関係になり、それが肝心のシーンで曖昧な表現になっていて、逆にどういう状況なのかとあれこれ想像してしまいました。
ジョンが意外と空想癖があるキャラになっているのも笑えます。

本編の新作も本国では来年出版予定なので、そろそろ21巻以降を読んでおこうかな。

サンカ手袋再燃!・・・か(←小さく)

前回サンカ手袋を編んでから、かれこれ10年以上経っています。
ずっと編みたいとは思っていたけどなかなか・・・。
そして今年、ようやく始めた折も折、びっくりの本が出版されました!
スコットランドの伝統てぶくろ(miro press 編)

何というタイミング!
こんなにサンカ手袋が特集された本が、かつてあったでしょうか?
他にもいろいろと後押しされることがあり、やはりそういう時期なのかなと不思議な感じです。

本の内容は、予想より情報量がありました。
『世界のかわいい編み物』のようなグラビア的なものかもしれないと思っていましたが、写真中心だけど歴史とニッターさんの紹介もあり、作品数も多いです。
アリソン・トムソンさんのお姿は初めて見たし、何より嬉しかったのはサンカ祭りinスミソニアンで まさんがレポートしてくれたメイ・マコーミックさんが登場していること!
その健在ぶりはもとより、彼女の編んだものがお手本として多数掲載されていて感激です。

残念だったのは、シェトランド手袋のほうは編み方が載っていたのに対し、サンカ手袋の編み方は無く、模様のチャートだけということです。載せられない事情が・・・?と思ってしまいました。

まだ目を通したばかりなので興奮気味、気がついたことがあればまた書きます。

で、自分のは全然進んでいません。
長丁場になること間違いなしと来年の予定で・・・。

おなじみの四角いマスではなく、Shepherd’s Plaid というパターンです。
赤い部分は内側に折り込まれて二重のカフになるので外側から隠れます。
短針はやめて、糸が丈夫なのでマジックループにしました。
たぶんもう少し編んだら「これじゃダメだ!」って最初から編み直しになりそうだけど、編んでみなくちゃわからないんですよね・・・。

サンカ手袋のことは本館でもっと追求したかったのですが、中途半端になっていて気がかりではありました。じっくりやってみますか。

マーサ、あるいはマーシー・メイ 【発見】

Martha Marcy May Marlene (2011) アメリカ
監督:ショーン・ダーキン
出演:エリザベス・オルセン、ジョン・ホークス、サラ・ポールソン、ヒュー・ダンシー

■あらすじ
カルト集団から逃げ出して姉夫婦の家で暮らすマーサ。
2年間の出来事を何も語らない彼女だが、夢と現実の区別も曖昧になり、時に激しく怯え日常生活もままならなくなる・・・。

■雑感
少し離れた目線で淡々と描かれているので、マーサ、姉夫婦、カルト集団のメンバーそれぞれの心理が平等に伝わってくる感じです。余計な演出がなく、静かな現実味があります。
断片的な状況しかわからないけれど、マーサが集団に加わるようになった経緯や今後のケア、また、集団のリーダーや他のメンバーのことなどいろいろと気になりました。

■編みどころ
冒頭、集団生活の家のポーチで椅子に腰掛けた若い女性たち。手元はよく見えないけど、その中の一人がグラニースクエア風ブランケットを編んでいるようでした。

集団に入って間もなく、古株のケイティに「編み物は?」と聞かれ「ダメ でも覚える」とマーサ。
その後ケイティは町で毛布(ブランケット)を売って現金収入を得ている、農場が成功すれば自給自足できると語りますが・・・つまり今は現金が足りないということです。
これが意味するところも、後にマーサが苦しむ一因なのでした。

塔の上のラプンツェル 【発見】

Tangled (2010) アメリカ
監督:ネイサン・グレノ、バイロン・ハワード
出演:マンディ・ムーア、ザッカリー・リーヴァイ

■あらすじ
ケガや病気を治すという魔法の花があった。
王妃が出産間近に容態が悪くなり、王は花を探し出し無事に王女が誕生した。
密かに花の力で若さを保っていた老婆ゴーテルは、王女ラプンツェルを誘拐して森の奥で育て、髪に宿る魔法の力を利用する。
ラプンツェルはゴーテルを母と慕い、言いつけを守って塔の上で暮らしていたが、18歳になり外の世界への興味は募るばかり。そこへお尋ね者フリンが飛び込んできた。

■雑感
ヒロインが幽閉されていたわりに人見知りせず、おっちょこちょいで明るい性格なのもあって、あまり昔話らしくなく、くだけた感じです。
ゴーテルは魔法使いってわけでもなく、若返って何をしていたのか私生活がわからず、花を奪われて気の毒なようでもあり、そこが何となくスッキリしませんでした。

■編みどころ
冒頭のミュージカルシーン「自由への扉」の中で、ラプンツェルが塔の中で時間を持て余し、絵を描いたりギターを弾いたり料理をしたり・・・そのひとつに編み物が登場!
右の指に糸をかけて、グレーの長いマフラーのようなものを編んでいます。

また、荒くれたちが集まる酒場でのミュージカルシーン「誰にでも夢はある」は、たむろしている乱暴者たちが自分たちにもいろんな(見かけによらない)夢があるという歌。
お花屋さん、ケーキ屋、編み物、裁縫・・・などが歌われ、小さな緑色の靴下を編んでいる大男がいます。これもアメリカ式。

ベリー柄マフラー2枚目終わり

何だかんだ文句を言いながらやっと完成。
見た目はともかく、実用本位で良いと言ったものの、巻いてみるとムズっと・・・
えっ、今更何ですかあなた。大丈夫そうだったじゃない?
ベビーとはいえアルパカは危険だったかな・・・
緩めに編んだのに・・・
まったくもう、なんでこう面倒くさいのかなーこの人は!(人格分離中)
つべこべ言わずにボリボリ掻きながらでも使ってみるべし!

『裏も楽しい手編みのマフラー』(嶋田俊之著)から
「ベリー柄の変り引上げ編み、9目一度」
糸はけいとのコーダオリジナルのもっふぁんアルパカ(40g-110m)×4玉、
色(207)、完成品の長さ160cm。

糸が悪いわけじゃないんです。
色も問題なし。模様と合ってないだけ。
値段のわりにお得感ある肌触り、適材適所なら良い仕事してくれたと思います。
このマフラーを編むのに選んだ私が、私が・・・(完全分離)

灰色の塊じゃかわいそうなので、お約束の透かし写真。
これがあなたの晴れ姿よ・・・。
それじゃ、ヒッソリおやすみなさい。

・・・
いやー、冗談冗談。
機嫌直して活躍してね♪(大丈夫?この人)

これからはあれだ、糸ではなく首に文句言えば良いんだ。
「この世話の焼ける首! せっかく編んだのにどういうつもり!?」

ますます分離しそう・・・。

その後:
巻いてみようとしたけど断念。
あたしたち、出会ってはいけなかったのかしら。(12/20)