過去と未来2本

プライマー (2004)

資金の無い技術者たちが本業のかたわら、ありものの部品を使いガレージで製品開発していた。
実験しているうち過去へ戻れる装置を作ることができたが・・・。

監督・主演が元は技術畑の人らしく、装置開発のための試行錯誤が延々と続くのかと思えば、途中からあれよあれよと展開し、あとで見返すと意外にこんなところから伏線?という感じです。
過去へのタイムトラベルものですが、タイムパラドックスのことは忘れて見たほうが楽しめます。

同監督が2013年に Upstream Color (邦題不明)を発表しています。
はたしてどんな映画なのか、『プライマー』よりドラマ要素が強そうですが・・・。


僕らのミライへ逆回転 (2008)

立ち退きを迫られるレンタルビデオ店で、磁気によってビデオの映像が消えてしまう。困った店員はリメイク映画と称し、自分たちがホームビデオで撮ったものを客に貸すが、これが大評判になる。

勝手にタイムトラベルものと思っていたら、普通に未来へ向かう話でした。
他愛ないけどミシェル・ゴンドリー監督らしくアナログな手作りメカが出てくるし、がんばりすぎず、ほどほどに和める感じです。

汽車はふたたび故郷へ 【発見】

Chantrapas (2010) フランス/グルジア
監督:オタール・イオセリアーニ
出演:ダト・タリエラシュヴィリ、ビュル・オジエ、ピエール・エテックス

■あらすじ
監督の半自伝的な作品。
ソ連時代のグルジアで映画を撮っていた主人公だが、検閲され勝手な編集に従わなければ上映することもできない。当局に出国を促されパリ行き、自由に映画作りができるかと思えば・・・。

■雑感
ストーリーはともかく、登場人物が煙草とお酒を多用しているのが気になり、何か意味があるのかなと考えてみたけどわかりません。。。

■編みどころ
グルジア時代のフィルム編集室で、助手と思しき女性が小物を輪編みしていました。

ミュージックビデオ 【発見】

Camille – Ta Douleur

包まれたい・・・けど勝手に包まれるのはイヤ。


Weezer – Undone – The Sweater Song

セーターを歌っているのですがビデオには登場しません。
シングル盤のジャケットには白い編み地が使用されています。
普通のメリヤス編みかと思っていたけど・・・よく見ると違っていた!→画像


Sonic Youth – Titanium Expose

0:48あたり・・・これは編んでいるとは言えないな~。


Alice Cooper – Tag, You’re It

ビデオありません。
毛糸玉、編み針で突き刺すなんて歌詞がありますが、ジョン・カーペンター監督の映画『ハロウィン』に言及しているようです。 そういえばアリス・クーパーは『パラダイム』に出演していたっけ。

恋のページェント 【発見】

The Scarlet Empress (1934) アメリカ
監督:ジョセフ・フォン・スタンバーグ
出演:マレーネ・ディートリッヒ、ジョン・ロッジ、サム・ジャッフェ、ルイーズ・ドレッサー

■あらすじ
ドイツの小貴族の娘ゾフィーがロシアの皇太子に嫁ぎ、やがて女帝エカチェリーナ2世となるまでを描く・・・と言っても重たい歴史ドラマではありません。

■雑感
皇太子であるピョートル3世が変人で夫婦生活ができないため、世継ぎを産むために愛人を持たされ、そもそも野心家だったわけではないのに女帝となっていった・・・というような物語も史実も重要ではなく、ひたすらマレーネ・ディートリッヒを鑑賞するための作品。
サム・ジャッフェの怪演によるピョートル3世の印象も強烈です。

皇室をこんな風に描いちゃって大胆だなーと思ったら、実際は映画も真っ青くらいのお家事情だったようで・・・ぜんぜん存じませなんだ。

私はマレーネのおでこの曲線がたまらなく好きなのですが、そのあたりを堪能できる角度が少なくて残念だとか、結婚するまでの乙女演技のわざとらしさが、可笑しいけれどちょっとくどい、なんてことは気になりません。
特にピョートル3世の愛人が「殿下は皇帝になったら私を新しい妻にする」と言ったあと、彼女をしげしげと見やる目つき・・・最初は面白がっている風なのが、やがて自分のするべきことを決意して部屋を出てゆく・・・はお気に入りで、この場面だけでも永久保存版です。

■編みどころ
おまけ的発見として、貴婦人たちが刺繍や何かしながら歓談している場面があり、編み物をしている人もいました。動きがぼんやり見える程度で、たぶんアメリカ式。時代考証がされているかどうかは定かでなく、映画の中のシーンということで。

モーム短篇選(下) 【発見】

サマセット・モーム著
行方昭夫 訳 (岩波文庫)

上巻は植民地での話などエキゾチックなものが多かったのに比べ、下巻は時代も下り、ほとんど現代の感覚です。上巻より短い物語が多いのも違うところです。
人間が見かけどおりではないことや、それに気づく人と気づかない人の話が多く、上巻とはまた異なる面白さがありました。

「冬の船旅」に編み物が登場していました!
おしゃべりで他の乗客から疎んじられている女性が、あるとき黙々と編み物をします・・・。

ゾンビ明暗2本

ゾンビ・ホスピタル (2008)

妹が自殺未遂して病院に収容された。
面会できないことを不審に思った兄は、自分も病院の患者となって妹を助け出そうとする。そこでは院長が患者を実験台に、過激な治療薬の開発を行っていた・・・。

前半はサスペンス、後半はスプラッターアクション。
患者は薬で凶暴化しているだけで、ゾンビではありません。
後半は出血大サービスだけどバタバタしすぎ。どうせならもっとねちっこくしてほしかった。
ラストは一応オチをつけましたっていうだけで、特に良いところは見つかりませんでした。
メジャーな人たちが出演しているので、そちら目的なら及第なのかな。


ゾンビ革命 フアン・オブ・ザ・デッド (2011)

キューバの町で暮らす中年男、友人と釣りをしてうだうだ過ごす毎日。
ある日突然、人々がゾンビになり始め、主人公たちはゾンビ退治を仕事にする。

コメディだけど健全な、久々に本物のゾンビものに会えた感じです。
水中を歩くゾンビや、大量のゾンビを一気に倒す方法など、かなり面白いシーンがいくつもあります。使われているCGがチープなのも、全体の雰囲気とマッチしていて軽妙な味を出しています。
『ゾンビ』へのオマージュに終わらず、キューバらしさが盛り込まれているのが新鮮。
ラテンのこってりだけど明るいゴアと下ネタが楽しめて、ゾンビ愛が感じられる作品です。

白いリボン 【発見】

Das weiße Band (2009) ドイツ/オーストリア/フランス/イタリア
監督:ミヒャエル・ハネケ
出演:クリスティアン・フリーデル、レオニー・ベネシュ、ウルリッヒ・トゥクル、ズザンネ・ロータ

■あらすじ
ドイツの田舎、人々が静かに暮らす村で陰湿な事件が次々と起こる。
誰が?何故?深く追求しようとする者もいない。
何もあきらかにならないまま、第一次世界大戦が勃発する・・・。

■編みどころ
棒針で小物の輪編み、かぎ針でレース編みなどをするシーンがあります!
編み物ではないかもしれませんが、テーブル掛けやちょっとした敷き物、乳母車飾りなどにもレースがあしらわれていました。

ゾンビかと思いきや2本

勝手な邦題でもそこにタイトルが付いている以上、何か想像してしまうのは仕方がなく・・・。
このゾンビはどうだろうと期待すると裏切られ、どうせありきたりなゾンビだろうとあきらめモードで見るとゾンビですらなく、しかし思わぬ拾い物がある場合も・・・。

ゾンビ・ドッグ (2002)

どん底人生を送る売れないアニメ脚本家のモノローグが延々と続く。
はっきりしない頭で車を運転していたら小型犬を轢いてしまい、連れ帰って手当てするが瀕死の重傷、ビールの空き缶で溢れかえる家の中で仕事しようとしても何も書けない。
犬が息をしていないことに気づき、埋葬したら元気になって穴から出てきた(妄想猟奇犬ラッキー)。

やがて犬は主人公と話し始め、脚本のアイデアまでくれる。おかげで仕事は順調でガールフレンドも出来たが、彼女が去り、犬が女性たちを次々と食っていた事が発覚!?

序盤は冴えない主人公に嫌な予感がしますが、犬が出てきてからは面白くなります。
ほとんどが暗い部屋の中での変態妄想なので好き嫌いは分かれるかも。

ソファにかぎ針編みのブランケットみたいなものがありました。
(この組み合わせ、よく見かけるので家でもやりたいけど、残念ながらソファが無いです)


デッドタウン・ゾンビ (2010)

ロバートが営む郊外の農場を、ある日突然大勢のゾンビが襲う。
ひとまず撃退して家にこもるが、電気は止まるし食料も無い。妻と息子を残して車で町へ向かうと、そこにもゾンビがひしめいている。なぜ町中の人間がゾンビになってしまったのか?

期待していなかったせいか、意外と楽しめました。
でも笑いや救いがなく、たいへん気の毒な話なのでどよ~んとしちゃいますね。

そんな内容とは別に、とても驚かされたことが。
息子の陸上部のコーチだという女性が登場するのですが、見たことがあるようで思い出せず。
あとで調べてみるとリネア・クイグリー!あの『バタリアン』のトラッシュ役で輝いていたお方・・・時の流れの残酷さに、本当に本人なのかいろんな画像を見比べてしまったほど。
彼女はずっとB級に出演し続けているのに、知らなかっただけなんですけどね。
ご健在ぶりを確認して落ち着いて見てみると、ちょっとジャンヌ・モロー似。

彼女の登場シーンをチェックしたら、息子と農場の従業員とのなぞなぞ話に「体が半分の犬だ」っていうのが出てきます。「二つ割りの犬」って訳してもらわないと困りますね。
これが前フリだったことに遅まきながら気が付きました。

追記:『バタリアン』を当時ビデオで見た記憶では「二つ割りの犬」だったけど、DVDを見直したら「縦割りの犬」になってました。う~~ん・・・。