月日が過ぎて・・・

ちょっと忙しい状態が続いていて編みかけのものがほこりをかぶっています。
虫に食われないうちに何とかしないと!

「編み物発見!」映画のことも書けないでいたら紹介しにくい事態になりましたが・・・

サブタイトルに「少女兵士」と入っているロシアの戦争映画で、母親がミトンを編んでいました。

蛇娘と白髪魔

1968年 大映

監督:湯浅憲明
原作:楳図かずお
出演:松井八知栄、高橋まゆみ、平泉征、浜田ゆう子、北原義郎、目黒幸子

あらすじ

孤児院にいた小百合の生き別れの両親が見つかった。これから南条家の一人娘として本当の生活が始まるのだ。ところが屋敷の屋根裏に少女が住んでいることがわかり、母から姉のタマミだと紹介される。小百合は姉がいることを喜んで一緒に暮らすのだが、タマミの嫌がらせは激しくなる。そしてふと覗き見た姉の姿は・・・。

雑感/編みどころ

楳図かずおの三作品がベースになっていて、ご本人もカメオ出演!なかなかいい感じの映画化だと思います。

お母様がテラスのようなところで籐椅子に腰掛け、かぎ針で編んでいます。かなり立派なお宅でございます。お母様は少し前にあった交通事故のせいで昔の記憶がなくなっているというお話なのですが、編み物は憶えていらっしゃるようです。

サラトガ本線

Saratoga Trunk (1945) アメリカ

監督:サム・ウッド
出演:イングリッド・バーグマン、ゲイリー・クーパー、フローラ・ロブソン

あらすじ

身分違いの結婚を妨害され亡くなった父、その罪を着せられ追われた母。ママのようにはならない、理想の結婚をするのだという決意で仇の一族が住む町へ戻って来た娘のクリオ。伯爵夫人と称して金持ち男をつかまえるはずなのに、ギャンブル好きなテキサス男のクリントに恋をしてしまった。仇の一族への復讐心から素直になれないクリオはクリントと仲違いするが、金持ち男スティードの情報を知らせる手紙がクリントの旅先のサラトガから届く。
母の名誉を回復したクリオはサラトガのホテルに逗留し、スティードのプロポーズを待つ身となる。その頃、クリントは鉄道の横領を企む輩の元へ乗り込もうとしていた・・・。

雑感

予想通りの展開でクリオとクリント、スティードの恋模様が延々と続きますが、終盤、にわかに列車アクションがあるのは意外でした。
クリントをボスと慕って殴り込みについてゆく従僕(ジェリー・オースティン)、子供のような振る舞いのクリオを諌める召使い(フローラ・ロブソン)、魂胆お見通しで金持ち男との結婚に手を貸す代わりに分け前をよこせという女傑(フローレンス・ベイツ)など脇役もなかなか。
シリアスとコミカルさが中途半端で、残念なところを探せばきりがないようですが、出演者と編み物発見!効果で個人的にはいい映画です。

編みどころ

サラトガのホテルのポーチのようなところでマダムたちが編み物をしています!かなり大きなホテルで、ポーチも大勢の人が行き交うような広さがあり、そこにマダムたちがずらりと腰掛けているのです。
これはセットなのかもしれませんが、実際のグランド・ユニオン・ホテルは1953年に解体されるまで世界最大だったとのことです(Wikipediaより)。

イングリッド・バーグマンが編んでいなくて残念・・・と思ったら、編んでいました!従僕役の彼が編み物袋を持って、なんだか楽しそう~。Behind the scenes ってやつですね。この、座らずに休むための椅子のようなものを leaning board または slant board というそうです。
ただの slant board や「スラントボード」で検索してもストレッチボードしか出てこないので leaning board か hollywood slant board で検索して画像を見て!!

Saratoga Trunk 予告編(冒頭部分)

イングリッド・バーグマン 愛に生きた女優【発見】

Jag är Ingrid (1972) スウェーデン
Ingrid Bergman: In Her Own Words

監督:スティーグ・ビョークマン
出演:イングリッド・バーグマン、ピア・リンドストローム、イザベラ・ロッセリーニ

雑感/編みどころ

イングリット・バーグマンのドキュメンタリー映画。まあ私の貧しい表現力では言いあらわせないくらい素敵な人です。人類代表ってくらい。でも母親としては子供たちから見るといろいろあるのでしょうね・・・。

ネット検索でも多くの編み物画像が見つかる人ですが、ほとんどが撮影現場でのものだと思います。この映画にはプライベート映像がいくつも使われていて、家族と過ごす合間に編み物をしている様子が見られました。それが二つもあったので、当時はもう編み物を手放さないくらいだったのではないでしょうか。
ヒッチコックにかせを持たせて糸を巻いている写真もあり。

予告編

いまさらの読書メモ

4年くらい読書メモをおろそかにしていました。
自分の忘備録としても記録しておかなくては。
まずは編み物発見!関係で読んだものから。

本の整理をしていたらアガサ・クリスティが何冊か出てきて、読んでいないのもありそうだったのでまとめて取り掛かりました。『終りなき夜に生れつく』『もの言えぬ証人』『チムニーズ館の秘密』『愛国殺人』、編み物が登場した『鏡は横にひび割れて』『そして誰もいなくなった』『リスタデール卿の謎』。

『終りなき夜に生れつく』は映画『エンドレスナイト』(1972)の原作で、ジュリア・マッケンジー版でミス・マープルものとしてドラマ化されています。小説、映画ともに編み物は登場しないけれど、ドラマではロマの女性の家に毛糸などが入ったハンドバッグがあり、編み針も小道具として使われていました。

『鏡は横にひび割れて』は映画『クリスタル殺人事件』(1980)の原作で小説と映画には編み物がたっぷり出てきますが、ジュリア・マッケンジー版ドラマではちょこっと、ジョーン・ヒクソン版には無かったような・・・。


パトリシア・ハイスミスは『ヴェネツィアで消えた男』『変身の恐怖』、編み物が登場した『見知らぬ乗客』『キャロル』。『見知らぬ乗客』には一言出てくるだけで映画には無く、『キャロル』も映画には無かったかと・・・。


モーパッサンの『メゾン テリエ 他三編』(岩波文庫)は映画『快楽』(1952)に編み物が登場したので読んでみましたが、原作にはありませんでした。一方、映画『愛なき女』(1951)の原作『ピエールとジャン』には、息子の居間の壁かけを編んでいる様子が出てきます。でも映画のほうが編みシーン多めでした。


ドラマの『夏樹静子サスペンス「逃亡者」』に編み物が出てきたので、原作が収録されている『夏樹静子のゴールデン12』を読んでみましたが編み物はありませんでした。この短編集は読みごたえがあり、秋野暢子が主演のドラマで印象的だったけどタイトルを記憶していなかった『死ぬより辛い』に出会えたのが嬉しかった。


ラクロの『危険な関係』はチャン・ツィイーの映画に編み物が登場したこと、何度も映像化されている問題作・・・ということで読んでみましたが編み物ナシでした。


アーサー・ヘイリーの『大空港』。1970年の映画ではヘレン・ヘイズが飛行機の中でせっせと編んでいたのに小説にはその場面はなく、主要な登場人物のひとりであるパイロットの妻が “編み物に精を出していた” という描写があるのみ。


その編み物女優ヘレン・ヘイズ著のミステリ『殺意のフェイド・アウト』。
『大空港』のこともあるしミス・マープルも演じている方なので、何かしら編み物のかけらでも出てこないかと期待しましたが、そんなものはありませんでした。今となっては内容も憶えていなくて、レビューはないかと探すもほとんどなく・・・まあ、トマス・チャステインとの共著なのでそれなりだったのだと思います。そういえばTVドラマの『探偵スヌープ姉妹』ではミステリ作家という設定でした。それが現実に!

ちなみにヘレン・ヘイズのミス・マープルは『カリブ海の秘密』と『魔術の殺人』があり、『カリブ海の秘密』で編みシーンが多く見られます。


光と影』に編み物が登場したソログープの短編集『かくれんぼ・毒の園』を読んでみましたが新たな編み物発見はありませんでした。ここにも『光と影』が収録されていて違う訳が読めたのは良かったです。


『怪奇小説日和 黄金時代傑作選』(ちくま文庫)に収録されていたジェイコブズの『失われた船』は、暖炉の前で老女が編み物をする、息子を待つなど『猿の手』と共通点があります。
アンソロジーの中に既読のものが多いとがっかりですが、これは知らないものが多くて満足しました。


コルタサルの『遊戯の終わり』。『占拠された屋敷』が面白かったアルゼンチンの作家です。これは短篇集ですが、表題作で発見!

わたしは苛々してくると編物をすることにしていたが、その時もひとりで編物をはじめた。
もう一冊の短篇集『悪魔の涎・追い求める男』に編み物は出てきませんでした。この『悪魔の涎』が映画『欲望』(1966)の原作だったのですねぇ。デヴィッド・ヘミングス主演ということとヤードバーズが出演しているほかはあまり・・・でしたが久々に観てみたらサラ・マイルズ編み物のワンピースを着ていることに気がつきました(またそんなことか!アントニオーニがいまいちなの?)。
コルタサルは他の作品も読んでみるつもりです。

500ページの夢の束【発見】

Please Stand By (2017) アメリカ

監督:ベン・リューイン
出演:ダコタ・ファニング、トニ・コレット、アリス・イヴ

あらすじ

ウェンディは自閉症でグループホームで暮らしている。
姉のオードリーは姉妹が育った家を売ることにした。ウェンディは『スタートレック』の脚本コンテストで賞金を得れば家を売らずに済み、姉夫婦と一緒に住めるし姉の赤ちゃんの世話もできると考えている。
そのことで姉と口論になりパニックを起こしたウェンディは、脚本を投函する期限を逃してしまう。締め切りに間に合わせるには直接届けるしかないとバスに乗るが・・・。

雑感/編みどころ

ウェンディはスタートレックのことは何でも答えられるくらい詳しくて、なかなか面白い場面もあります。

編みシーンは『宇宙大作戦』(スタートレック)を見ながら、バスの中でなど何回か登場します。ウェンディは毎日の行動を細かく決めていて曜日によって着るセーターが違うのですが、これも編んでいるということなのかもしれません。一緒にバスに乗る小型犬ピートの服も編み物でした。

予告編にもバスの中の編み物がちょこっと入っています!

なんというか、予告編がとてもよく要約されているような・・・。別にネタバレどうこうっていう映画じゃないからいいんですけどね。
ダコタ・ファニングが良かったです。映画の中での編み方はアメリカ式で速いです。編み物が趣味のひとつで、手編みのスカーフを共演者などにプレゼントしているそうです。

ミイラの墓場【発見】

The Mummy’s Tomb (1942) アメリカ

監督:ハロルド・ヤング 
出演:ロン・チェイニー・Jr、ディック・フォラン、ジョン・ハバード、エリス・ノックス、ジョージ・ザッコ

※ネタバレしています。

あらすじ

エジプトでミイラを発掘したスティーブとベーブが神官アンドヘブと蘇ったカリスのミイラを倒してから30年、呪いは消滅したはずだった。しかし神官とミイラは負傷したものの生き長らえており、復讐の時を待っていた。神官は若き後継者に二人の一族を滅ぼすという使命を託しアメリカへと送り出す。

ミイラの話を信じていなかったスティーブの息子ジョンも、スティーブに続きベーブが殺害されるに至り生きたミイラの存在を認める。
神官はジョンの婚約者イゾベルに心を奪われ、カリスに命じて彼女を誘拐させた。神官はイゾベルと共に不死の薬を飲もうとするが、人々に隠れ家を突き止められて失敗、カリスはイゾベルを抱えてジョンの屋敷に向かうも反撃に遭い焼かれた。
第3作『執念のミイラ』(1944)に続く・・・。

雑感

60分ちょっとの映画の頭の部分は前作『ミイラの復活』(1940)のフィルムを使用した親父の武勇伝です。「とても信じられない」という息子たちに「マルタが生きてれば同じ話をするさ」と傍らの写真を見ることから、前作のヒロインと結婚して家庭を築いたのだという説明。

神官がイゾベルを妻にしたいという話を聞いてカリス(ミイラ)が愕然とするのがなんだかおかしいです。動揺して後ずさりまでしてガックリきてる様子。神官は結婚して代々カリスの面倒を見るという話なので、何でそこまで驚くのか不思議なんです。今まではカリスが眠っている間に行われてきたことだから初耳だった?3000年も続いてるのに?それとも復讐半ばにして神官が自分の欲を出してきたから驚いたの?または自分は叶えられない人間らしいことに対する悲しみでしょうか。
次作にも同様の設定がありますが、そちらはヒロインに王女のミイラの魂が移っているので納得できるんですけど・・・と、変なところが気になります。

気がつけば映画のことをしばらく投稿していなくて、久々の更新がこれか!
ミイラというと、昔やっていたゲームのアイテムに mummy wrapping(ミイラの包帯)が登場していたのを思い出します。映画のミイラ男は他のモンスターに比べると地味な印象です。そもそも勝手に墓を暴かれたのだからお怒りもごもっともで、怖いというより気の毒かも。ハマー・フィルムの『ミイラの幽霊』は迫力ありますけどね~。

編みどころ

スティーブとジョンがチェッカーをしているのをイゾベルとジョンのおばさん(スティーブの姉)が見ている場面。おばさんは4本針でソックスのようなものを編んでいます。お開きになり、スティーブが2階の部屋で休もうとしているとミイラが襲ってきます。悲鳴がして驚くおばさんとイゾベル、イゾベルは編んでいるおばさんの隣で毛糸を手に巻き巻きしていました!


この映画のDVDは「ドラキュラ vs ミイラ男 ホラー映画 傑作集」に収録されています。ボリス・カーロフの『ミイラ再生』(1932)は単体であるのですが、そのリメイクシリーズの4作は出ていないようで、こちらにまとめて入っていてお得でした。

Internet Archive にもあります。消えました;;
編みシーンは21:47~あたりから(途中ミイラが登場するので苦手な方はご注意)。
神官の結婚話でミイラがショックを受けるのは45:00~です。
しかし画面が暗いですね。

SF火星の謎 アストロノーツ 【発見】

The Astronaut (1972) アメリカ

監督:ロバート・マイケル・ルイス
出演:ジャッキー・クーパー、モンテ・マーカム、スーザン・クラーク、リチャード・アンダーソン、ロバート・ランシング

あらすじ

宇宙船ボイジャー1号は火星に到着し、宇宙飛行士ブライス・ランドルフがアメリカ国旗を立てる様子がテレビ中継されている。ブライスの身重の妻ガイルも見守る中、映像は突如音声だけの通信に切り替えられた。そのとき火星では事故が起こり、ブライスは亡くなってしまったのだ。

反対が多かった火星計画は事故でもあれば計画すべてが中止になってしまう。そんな事態のために準備していたER計画を実行に移すため、元パイロットでブライスと風貌のよく似たエディが呼ばれた。70日後に宇宙船は帰還する・・・。

雑感/編みどころ

テレビ映画なので地味だけど『カプリコン・1』(1977)よりこっちのほうが好きです。タイトルでSFを強調していますがドラマですね(なので70日後!?とかツッコミは無しの方向で)。その昔、テレビでよく放送されていたらしいけどちっとも知りませんでした。

ランドルフ夫妻の親友トーニが編みます!(正確には編み物を手にしているだけ)
ガイルと一緒に火星からのテレビ中継を見る際にはグレーっぽいもの、宇宙船が地球に帰還して再突入するテレビ中継を見る際には黒白の太めの縞模様のものでした。

クランプス 魔物の儀式 【発見】

Krampus (2015) アメリカ

監督:マイケル・ドハティ
出演:エムジェイ・アンソニー、アダム・スコット、トニ・コレット、ステファニア・ラヴィー・オーウェン、クリスタ・シュタートラー、コンチャータ・フェレル

あらすじ

マックスはサンタクロースを信じる少年。
毎年クリスマスになると母の妹一家(夫婦と子供4人)がやってきて迷惑している。今年はそれに加えてドロシーおばさんまで一緒に来たものだからたまらない。マックスはサンタ宛ての手紙を書いていたが、いとこたちに読まれて馬鹿にされた悔しさから手紙を破り捨ててしまった。

夜が明けると電気は使えなくなっていて外は雪に覆われていた。外出した姉は暗くなっても戻ってこない。何が起きているのか祖母は知っているようだが・・・。

雑感/編みどころ

クランプスってバンドなら知ってましたが、綴りも意味も違いました。
こちらは悪魔のような姿をした伝説の魔物で、クリスマスに悪い子を地獄の穴に投げ込むのだそうです。欧州版なまはげ的な感じもします。

停電した家で暖炉の火が焚かれる中、ドロシーおばさんがかぎ針編みしています!
ちょっとしか見えないのですが、左手で針に糸をひと巻きして編んだような・・・どういう編み方なんでしょう?
おばあちゃんをはじめ、ニットの着用率も高かったです。

裸足のピクニック 【発見】

1993年 日本

監督:矢口史靖
出演:芹沢砂織、浅野あかね、Mr.オクレ、梶三和子、鈴木砂羽、あがた森魚、泉谷しげる

あらすじ

純子はごく普通の高校生。ある日電車をキセルしているのがバレて事務所に連れて行かれたが、駅員の目を盗んで走って逃げるうちにカバンの中身をすべてぶちまけていたため身元が割れた。駅事務所に学校の教師が呼ばれて持ち物から校則違反の自動車教習所通いをしていたことが発覚する。
家に帰れず祖母の家に行ったら誰もいない。夜になって両親が来て祖母は亡くなったと知らされる。両親と帰る途中に車がバイクと衝突して両親は入院、怪我がなかった純子は祖母の遺骨を持って葬儀のためひとりで帰るのだが・・・。

雑感/編みどころ

不幸がこれでもかと純子を襲います。最後は家族が一緒になれたようで、いろいろあって妊娠していた純子の子供のために母親がかぎ針で編んでいます。白くてピンクの縁取りのあるブーティも出来ていました。