ニコライとアレクサンドラ 【発見】

Nicholas and Alexandra (1971) アメリカ
監督:フランクリン・J・シャフナー
出演:マイケル・ジェイストン、ジャネット・サズマン、ジャック・ホーキンス、トム・ベイカー

■あらすじ
日露戦争が起きようとする情勢の中、ロシアの労働者は苦しんでいた。
そのうねりは大きくなり、やがて革命へと向かう・・・。

皇帝ニコライと皇后アレクサンドラ、政治、戦争を主に、皇太子の病気とラスプーチンのことを少し、という配分で1904年から退位する1917年までを、それから処刑されるまでの1年ほどは家族の暮らしを中心に描かれています。

■雑感・編みどころ
皇女アナスタシアが編み物を手にしている実際の写真が残っているので、映画にも登場しないかと期待したのですが、皇女たち四姉妹は誰が誰やら区別されず(少し台詞があるのがたぶんアナスタシア)、写真のようなシーンはありませんでした。

退位して監禁状態になってからは、娘たちがカーディガンを着ていたりアレクサンドラはショールを掛けていたりします。帝政だった頃と打って変わって質素な衣服にグレーのニット姿・・・でも編み物は登場しないかな、と思っていたら最後にアレクサンドラが編んでいました!

ニコライが編み物をしているアレクサンドラの手を気遣い、「痛むだろ」と言うと「これくらいならできるわ」というやり取りがあります。
ピアノはもう弾けないらしく、指が思うように動かせない状態のようです。
編み方がアメリカ式だったのはアメリカ映画だからか、指のせいなのか・・・?

その後の場面で同じ色の指出し手袋をしているので、これを編んでいたということかも。

モーム短篇選(上) 【発見】

サマセット・モーム著
行方昭夫 訳 (岩波文庫)

「手紙」と「十二人目の妻」に編み物が登場していました!

「レース編みをしていた」というだけの些細な記述でも、そこに編み物があると思うと情景の見え方が変わってきます。
モームの有名なものはいくつか読んだはずだけど、何も憶えていません。
この短編集は人物描写や植民地の空気などが、わずかな文章で手に取るように感じられて面白く、下巻も読んでみようと思います。

以前の記事で「手紙」の映画化は1929年版と1940年版『月光の女』で内容が違うと書きましたが、驚いたことに小説は、そのどちらとも違っていました。
もちろん大筋は同じだけど、結末が小説、1929年の映画(戯曲と同じ?)、『月光の女』で異なるのです。それぞれ良さがあると思いますが、かなり印象が違います。

1929年版は戯曲の流れがあるから、終盤の夫との口論など舞台劇を思わせる激しさなのはわかるとしても、小説にある「育ちの良い女性の豹変」が感じられませんでした。

映画としては『月光の女』のほうが、冷たそうな女性が実は愛に生きていたというメロドラマ的な脚色もありだと思えるし、編み物の登場が多いだけでなく、それを心の動きに絡めているのも気に入っています。

ブラック・レコード~禁じられた記録~ 【発見】

Glorious 39 (2009) イギリス
監督:スティーヴン・ポリアコフ
出演:ロモーラ・ガライ、ビル・ナイ、エディ・レッドメイン、ジュノー・テンプル、クリストファー・リー

■あらすじ
第二次世界大戦の直前のイギリス、ヒロインが物置で見つけたレコードには秘密の会話が録音されていた。その内容に驚き知人に相談しようとするが、周囲では関係者が次々と不審な死を遂げるなどおかしなことが起こりはじめる・・・。

■雑感
ドイツと手を組み戦争を回避しようとする勢力の暗躍に、家族とともに幸せに暮らしていた娘の人生が一変する話です。

どうなってしまうのかハラハラしたけど、あとで思い返すと家族の行動が理屈に合わなくて変な感じ。あまり内面が描かれていないから、あれこれ想像で補わないとあっさりしすぎかも。
政治的なことが主題というよりは、それを背景にしたサスペンスドラマです。

■編みどころ
小さなシーンですが、幽閉されたヒロインを見張る怖そうなおばさんが編み物をしていました!

スマーフ 【発見】

The Smurfs (2011) アメリカ
監督:ラージャ・ゴスネル
出演:ニール・パトリック・ハリス、ジェイマ・メイズ、ハンク・アザリア

■あらすじ
現代のニューヨークへ通じる穴に吸い込まれたスマーフ御一行が、いろいろあって村に戻る話。

■雑感
実写にCGのスマーフ達が合わさっている映像です。昔のアニメが好きだったので期待したのですが、内容としてはすごく良いってほどではなく普通かな・・・。
80年代のアニメでは間抜けな魔法使いガーガメルと、それよりよほど常識的な猫のアズラエルのコンビが可笑しいし、パパスマーフが色気づいたりする話もあって、ただかわいいだけの子供向けとは一味違う感じでした。

そういえば今回の映画版のアズラエルは猫の声しか出していなかったけど、元のアニメやコミックではどうだったんだろう? アニメの吹き替えでは喋っていて、ツッコミを入れてるみたいなのが良かったのです。(映画で喋っていないってことは日本独自かも!? というより独り言だった?)

■編みどころ
さて映画では・・・現代NYのとある夫婦の家で、スマーフが編み物籠から毛糸を引っ張り出して人間を縛り上げるシーンがあります。手編みらしきブランケットやクッションカバーなどもあったから、この家の奥さんが編み物をするという想定なのでしょうね。
編みシーンはありませんでした。

2013年の夏に『スマーフ2』が公開予定・・・面白くなって、編み物も登場するといいんだけど!

ダーク・シャドウ 【発見】

Dark Shadows (2012) アメリカ
監督:ティム・バートン
出演:ジョニー・デップ、エヴァ・グリーン、ミシェル・ファイファー、ヘレナ・ボナム=カーター

■あらすじ
18世紀、魔女に惚れられたために愛する人を失い、自らは吸血鬼にされ生き埋めになった男。彼は思いがけず20世紀に蘇り、現在も一族の末裔らを苦しめる魔女に対抗する。

■雑感・編みどころ
原作のソープ・オペラやそのノベライズも、ちょっと面白そうです。

没落した一族は古くからの屋敷に住んでいますが、屋敷といえば秘密の隠し部屋がつきもの。その一室を現在の女主人がマクラメ倉庫にしています。マクラメを編み物と言ってよいのか悩むけど、字幕では「編み物」にマクラメとルビを振っていたのでOKでしょう!
(しかし何故マクラメ・・・)
でもそれは隠し部屋の「恥ずべき使い道だ」と言われてしまいます。。。
編みシーンはマクラメ含めありませんでした。

月光の女・手紙 など 【発見】

ベティ・デイヴィスの主演作、どちらも発見済みですが、日本版DVDで再チェック。

月光の女

The Letter (1940) アメリカ
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:ベティ・デイヴィス、ハーバート・マーシャル、ジェームズ・スティーヴンソン

■あらすじ
夫の留守中に知人男性に言い寄られ、やむなく彼を射殺したという妻・・・。
彼女は本当のことを言っているのだろうか?

■雑感・編みどころ
編んでいるのはモチーフつなぎのかぎ針レースのようで、ベッドカバーとの事。
編み物をはじめたのは辛い心を紛らわすためでは?と思わせる話も出てきます。


ラインの監視

Watch on the Rhine (1943) アメリカ
監督:ハーマン・シュムリン
出演:ポール・ルーカス、ルシル・ワトソン、ジェラルディン・フィッツジェラルド

■あらすじ
反ナチの活動家とアメリカ人女性の夫婦の話。
妻の実家であるワシントンD.C.に子供たちと共に帰ってきたが・・・。

■雑感・編みどころ
これも細かそうな・・・レースでしょうか、かぎ針編みをするシーンがあります。

2本とも客間などで編むのですが、その際に編み物をバッグから取り出します。レース編みや細糸でかさばらないものだから・・・また、家が広くて持ち歩くというのもバッグを使う理由かもしれません。
この編み物を入れたバッグは、ある時代の映画の中ではよく見られるのですが、木製や金属製のハンドルで口が大きくガバッと開くものなんです。

実物も昔はよく見かけました。グラニーバッグみたいな感じで竹製などの円形の持ち手がついているもの(画像のはちょっと違うし大きめですが)、今でも持ち手が販売されているから、バッグも存在しているんじゃないかと思います。何という名前なのでしょう?

ふと「手芸バッグ」という言葉が浮かんで検索してみたら、たしかにこんな感じではあります。それでいいのかな? 英語での言い方はやっぱり「グラニーバッグ」??


映画の話に戻りますが『月光の女』はモームの戯曲『手紙』の再映画化です。
最初の映画化は1929年で、画質は良くないけどネット上で見ることができます。

手紙

The Letter (1929) アメリカ
監督:ジャン・ド・リミュール
出演:ジーン・イーグルス、レジナルド・オーウェン、ハーバート・マーシャル

動画サイトに無かったら Internet Arcive で見られます。
レースを編むようなシーンは 03:20~あたりから。

1929年版と1940年版、内容はかなり違うのに双方に編み物が出てくる、ということは原作にもありそうではありませんか! 要チェックです。

ミュージックビデオで 【発見】

Al Yankovic – Amish Paradise

映画『デンジャラス・マインド』で使用された Coolio “Gangsta’s Paradise” のパロディ。
編みシーンは最初にちょこっと。


Eurythmics – Beethoven (I Love To Listen To)

編み物は良妻の象徴?
編みシーンは最初と途中に。


Billy Idol – Dancing With Myself

汗まみれのビリー・アイドル。
編みシーンは 0:25 あたり。ロープみたいなんですが・・・この世界からしてかなり意味不明だし、これが何なのか悩んでも仕方ないか。

激怒 【発見】

フリッツ・ラング監督作でいくつか編み物を発見しているので、未鑑賞だったものをチェックしたところ見つけました! 監督が、というより編み物が身近にある時代だったのだと思います。

激怒

Fury (1936) アメリカ
監督:フリッツ・ラング
出演:スペンサー・トレイシー、シルヴィア・シドニー、ウォルター・エイブル

■あらすじ
身に覚えの無い誘拐犯だと疑われ、リンチで殺されそうになった男の怒りを描く。

■編みどころ
離れて暮らす婚約者からの手紙を読む女性の傍らに、編み物を入れた籠が置いてあります!
残念ながら編みシーンは無し。


以下の作品には編み物は登場しませんでした。

マンハント (1941)

ヒトラーの狙撃未遂という濡れ衣で捕らえられた男の反撃。

外套と短剣 (1946)

原爆開発競争の最中、ドイツとイタリアに協力させられている研究者を救う物理学教授の活躍。

復讐は俺に任せろ (1953)

(ビッグ・ヒート/復讐は俺にまかせろ)
ギャングのボスが警察幹部と癒着、疑いを持つ警部は妻を殺され復讐を誓う・・・。

Monkey Grip 【発見】

Monkey Grip (1982) オーストラリア
監督:ケン・キャメロン
出演:ノニ・ハズルハースト、コリン・フリールズ

■あらすじ
ヘレン・ガーナーの半自伝的小説を基に、離婚して娘と暮らす女性と麻薬中毒の恋人との関係を描いています。特別なことが起きるわけでもなく、やるせない日々が淡々と過ぎてゆきます・・・。

■雑感・編みどころ
女性の娘役をヘレンの娘アリスが演じていて、この娘(11歳?)がアメリカ式で編んでいました!

主人公は音楽業界の仕事をしており、劇中で Divinyls が扮するバンドをデビューさせます。
演奏だけではなく、クリッシーが演じるアンジェラのレコーディングシーンや主人公との会話などもあり、単にバンドが映画に出ているという以上の登場です。

前回の記事「Divinyls クリッシー追悼」でのビデオクリップ集を出してほしいという希望とともに、この映画の日本版DVDの発売も希望です。
(Divinyls が出演していなければそれほど魅力的な映画ではないのですが)
US版も出ていないので無理かもしれないけど、ぜひ字幕つきで映像特典も見たいのです。
この映画には編み物発見!もあるし、願いは切実!



imdb の Monkey Grip (1982)
allmusic の Monkey Grip [EP] (サウンドトラック)


画像はオーストラリア版DVDの裏表紙より。
左下がクリッシー(この頃はクリスティーナ)。

縄編み?プリント 【発見】

駅のエスカレーターで前の人のスカートに釘付け!
もしやこれは縄編み柄では?
(よーく見ると本当に縄編みなのかわからなくなってきます・・・まあ細かい事はともかく、たぶん縄編み)
生地は厚手のスカーフ程度の薄物で膝上丈、前から見るとワンピースでした。 なかなか大胆な色柄で、どうしてこれを買ったのか聞いてみたい衝動にかられましたが・・・こっそり写真に収めるだけにとどめました。
不純な動機ではございませんのでお許しください。