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  フェアアイル<ペリィ>

SHAELA(しぇーら)の佐藤ちひろさんデザイン
日本ヴォーグ社のキット
毛糸だま2000【冬号】、
2001-2002秋冬ニットコレクションに掲載

針:輪針4号、2号

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模様アップ


以前からフェアアイルを編みたくて、いきなりオリジナルは無理だからキットで・・・と思っていました。このペリィは本で見たときには派手すぎるかな? と思っていたのですが、去年の銀座三越でのニットの催しの際に見たら気に入ってしまい、挑戦することにしました。完成して写真を撮ってみてわかったのですが、写真では派手な感じのほうが確かにきれいに見えます。実物の淡い雰囲気を伝えるのはなかなか難しいですね〜。

編み込みの糸の持ち方を変えたのでどうなるかが一番心配でした。以前は左手の人差し指に2本ともかけたり、1本かけて1本は垂らしたり、2本とも垂らして左手で糸をかけたりしていましたが、よく編み物本に載っているような、左の人差し指に地糸、右の人差し指には配色糸をかけるという方法にしてみました。・・・なんですが、そのままやろうとすると配色糸の渡し方がきつくなりすぎだったので、糸を針にかけるときに右手を水平に円を描くように大きく回すというオーバーアクションな編み方(想像できるでしょうか?)になっています。
編み物本に持ち方は書いてありますが、糸を針にかける動作はよくわからず、そのままの態勢で右手の側の糸はかけにくいし、かけてもきつくなっちゃうんですよね・・・ぶつぶつ。

ともかくその方法で渡し方は緩くできたのですが、いまいち加減が一定しないという欠点があるので、シェットランドヤーンのように包容力がある糸の場合は良くても、編み目がくっきり目立つような糸でやるにはまだまだです。この方法ではゴム編みがやりにくくて、ゴム編みする際には左人差し指に配色糸、地糸は垂らしているという変な方法も直したいし。

エキストラステッチを切るのは、前回普通の糸で味わった崩壊の恐怖もあって内心びびっていましたが、しぇーらのサイトの 『フェアアイルの編み方』 を信じてやってみるとその通り、何も問題はありませんでした! このページがなければちょっと難しかったかも・・・とても詳しく書かれていて助かります。

それでも少し悩んだのが袖の模様をどこからはじめるか(段の方向の、です)ということで、大きな模様から、小さな模様から、大きな模様の半分からという3パターン考えられるんです。身ごろの模様は肩のところで半分ずつが出会う格好になっているので、袖も半分からとも考えられるし、小さな模様の配色が来たほうが袖ぐりにメリハリが出ていいんじゃないかとか悩んだ末、キットについていた説明をたよりに大きな模様からはじめてみました。『フェアアイルの編み方』 に 「最初から完璧を狙わないこと」 と優しい言葉が書いてあったのも救いです。

もう一つ悩んだのは糸を変えるときの編み込み方です。わけわからんなりに適当にやって、表にひびいたりはしなかったんですが、かなり面倒! 慣れでしょうか・・・。
[袖の糸変えの部分] もっと糸を切っても大丈夫そうです。

編み上がった時点ではお手本の寸法よりかなり小さめになっていました。編み目も引きつってぼこぼこです。仕上げの工程、フェルト化は一体どうなるんだろう? と思いましたが、熱めのお湯で石鹸と羊毛の匂いがたちこめる中、編地を揉んだりするのは面白く、何とも言えない嬉しい気分でした。意外と洗い水が黒かったです。干す時に形を整えついでに少し伸ばしたら、なんと乾いたときにはお手本と同じ大きさに! こんなことは初めてで喜んだのですが、もし必要以上に伸ばしちゃったんだとしたら薄くなってるってことですよね。。。それは喜んでいいのかどうやら? なんですが。
ぼこぼこは収まって色もすっきりして、表面はオーラを発しているかのようにほわほわと、でも編み目が消えているってわけではない不思議なフェルト化の初体験でした。

細かい不満はいろいろあって、ゴム編みは全て2号で編んだのですが特に前立てが小さくなり、内側へ丸まり気味になります。ボタン穴もかがり方が強すぎたのか、かなりきつくて開けっ放しか閉めっぱなしのどちらかで着ることになるかも(カーディガンの前立てが成功した例なし)。袖の模様を間違えたのですが、目立たない(? よく見るとわかります)のでそのまま編んじゃいました。エキストラステッチのかがり方も、表側からみると膨らんでパイピングのように見えるのは何か悪いんじゃないかと思うんですが、いまいちよくわかりません。アイロンで少しつぶしてはみたんですけど(^^;
シェットランドヤーンは少々の編み目の乱れも吸収してくれて、さらにフェルト化することでますます目立たなくなってありがたいのですが、だからといっていい加減に編んでもいいってことにはならないので甘えないようにしなくては!

というわけで、問題はあるもののなんとか形になったので、新年早々悲惨な報告をせずに済んで一安心、久々に達成感のあるものを編むことができました。え、失敗作じゃなくてつまらない? まあ、たまにはこういうこともないと・・・。


Last modified: 2003/01/10