恋のつぼみがほころぶとき 【発見】

デビー・マッコーマー著
The Shop on Blossom Street (2004) 岡本香 訳(MIRA文庫)

■あらすじ/雑感/編みどころ
購入してみるまでハーレクイン社の本だとは気が付きませんでした。よくわかりませんがいわゆるハーレクイン・ロマンスとは違う系統のシリーズなんでしょうか?

毛糸店を開いたリディアと、編み物教室に応募してきた年齢も境遇も様々な3人の女性の物語です。あらすじは私が書くよりも出版社のページのほうがわかりやすいです。立ち読みもできます!

毛糸屋さんが舞台の小説といえば、映画化されるかもと話題になったケイト・ジェイコブスの『金曜日の編み物クラブ』がありますが、正直言って私は物語も編み物についてもそれほど良いと思いませんでした(もうあまり憶えていませんが・・・)。

こちらは『金曜日・・』とは比較にならない手練れの作といった感じです。
登場人物の誰かには共感できるだろうし、嫌な気分になることもありません(私が言うのもアレですけど)。物足りない向きもありますが、さらりと読めて得るところもあります。まあ、何より編み物のことがしっかり描かれているのが嬉しいんですけどね~。

この The Blossom Street Series は11作まで出ているようですが、翻訳されているのは3作です。すぐに読めるので2作目の途中まで来ましたが、1作目と同じくリディアと編み物教室(今回は靴下のクラス!)の3人の生徒の話を軸に、前回の登場人物たちの近況が織り交ぜられもう連ドラ状態。全部翻訳してくれないと欲求不満になりそう。

ブラックな話も大好きですが、こういうハッピーエンドものも良いですね。
表紙を見てしばらく悩みましたが、思い切って読んでみてよかったです(大袈裟だけど『アウトランダー』シリーズもロマンス小説なのかどうだろうかと読み始めるのに躊躇しました)。

ペンギンが行方不明! 【発見】

えっ、どこのペンギン?
それは・・・

・・・

この連絡をもらってから思い出し笑いが止まりません(ごめん)。

Suicaのペンギン フェザールーをダウンを洗う要領でそぉ~っと洗ったんですって。そしたらペンギンが消えたと(もう書きながらもこみ上げてきて・・・くっ、苦しい、ごめん)。

きっと水を浴びて大海原が恋しくなって泳いでったのでは。
しかし見事にペンギンだけが消えてるって何故?JR東の陰謀かしら。
ちょっと脆すぎますよね・・・製造元にワッペンだけ転がってないかな?

ペンギンが消えて落ち込んでる持ち主には気の毒だけど、このニュースでしばらく乗り切れそうです(ごめん)。

不謹慎なのでタイトルで連想した映画『猫が行方不明』のエンディング曲でクールダウン。

Portishead – Glory Box

忘れてた読書メモ

去年の終わり頃からあまり書いていなかったのでまとめて簡単に・・・。

『厭な物語』 (文春文庫)

クリスティー、ハイスミス他

11篇の後味の悪い物語が収録されています。
嫌さはそれほどでもないけど、もちろん自分の身に起こらなければの話で・・・。
日本の作家が含まれている『もっと厭な物語』も読んでみようと思います。


『プードルの身代金』『孤独の街角』『スモールgの夜』 (扶桑社ミステリー)

パトリシア・ハイスミス

3作とも長編です。どれも都会が舞台で、相容れない人間同士に起こる事件が描かれています。

『プードルの身代金』では山の手に住む余裕のある夫婦vs彼らに憧れる警官vs卑屈な誘拐犯、『孤独の街角』では自由に生きる娘と彼女の守護者たちvs偏見に凝り固まった男、『スモールgの夜』ではゲイの男性と見習い裁縫師の女性vs裁縫師の元締めであるゲイ嫌いの女と彼女に操られる男・・・と登場人物のタイプは様々ですが、違う種類の人間に対する憎悪や悪意、無理解がおそろしいです。
その一方、報われない愛もあります・・・。
いつもながらどんどんこじれてゆく人間関係がたまりません。


『動物好きに捧げる殺人読本』 (創元推理文庫)

パトリシア・ハイスミス

歩いているとき道路脇の溝の中にある排水パイプに目が留まり、パイプの中にネズミが入ってゆくシーンが思い浮かんで、何の映画だったっけ?としばらく考えてしまったのは、この短編集の一篇でした。
人によるかもしれませんが、私にはハイスミスの作品は脳内映像化されやすいような気がします。克明な情景描写ではないのに・・・というより、あいまいな部分があるせいで、よりイメージを補完しようという力が働くのかも?
動物好きに、と言っても動物が酷い目に遭わないわけではないので油断禁物です。

メンズセーター再三

2枚の失敗を経て、やはり次シーズンにセーターが足りないのでまた編み始めています。

シンプルな模様で左右対称の縄とか凝ったものもないし、楽に違いないと思いました。たしかにわかりやすいけど、その代償は編み目の乱れが目立つことです。洗ったら何とかなるだろうと淡い期待を持っていますが、そんなことよりまずサイズで失敗しないことが重要ですね。着られなければ始まらない!


このあたりで真面目にゲージを確認しておかなければ。
ふざけているつもりはないんだけど、結果が出てないので問題があるのは確か・・・。

幸福なる種族 【発見】

This Happy Breed (1944) イギリス
監督:デヴィッド・リーン
出演:ロバート・ニュートン、シリア・ジョンソン、ジョン・ミルズ、ケイ・ウォルシュ、スタンリー・ホロウェイ

■あらすじ
ロンドンのある家族の1919年から1939年までの物語。

第一次世界大戦が終わり、兵士たちが復員してきてロンドンは明るいムードに包まれた。
ギボンス一家はフランクとエセル夫妻と3人の子供たち、エセルの姉シルビアと母のフリント夫人らと南ロンドンの住宅で新生活を始める。偶然にもお隣さんはフランクの戦友で気の合う仲、未亡人で愚痴の多いシルビアとフリント夫人は口論ばかり、子供たちも成長し賑やかに暮らしていた。

長女と長男がそれぞれ結婚して安心したのも束の間、次女は家を嫌って出てゆき、予期せぬ不幸も起こった。やがてフリント夫人は亡くなる。そしてまた思いがけない喜びもあった。

再び戦争が始まって空襲が心配されるようになり、夫妻は20年間暮らした家を後にする。寂しさだけではなく希望も持って・・・。

■雑感
タイトルに拒否反応を起こしてなかなか見る気がしませんでしたが、『イン・ウィッチ・ウィ・サーヴ』、『大いなる遺産』(1946)で編みシーンが発見されているのでデヴィッド・リーンにはお世話になっています(すべてにジョン・ミルズが出演しているのも縁でしょうか)。食わず嫌いはいけませんね。

■編みどころ
フリント夫人が棒針で、淡いピンク色のマフラーに見えるものをイギリス式で編んでいました。

また、長女のヴァイに毛糸のかせを持たせてシルビアが巻き巻きしているシーンも!
予告編にその場面があるのですが、本編と異なるアングルだし衣装も微妙に違います。ヴァイが映っていますが背を向けている相手はシルビアではないようだし・・・編集前のものなのでしょうか?

Noel Coward’s This Happy Breed

霊巌寺(東京都江東区)【発見】

山門の右手にある交通安全祈願のお地蔵さんです。
ストリートビューを見ると、以前から毛糸の帽子を作ってもらっていたようです。
(↑過去の画像を見ると顔にボカシがあるのも・・・顔認識で自動でかかっていたとか?)


本堂の左手奥にある六地蔵。やや大きめです。
それぞれの顔に個性があるように思います。

霊巌寺には享保二年(1717)に建立された江戸六地蔵のひとつの大きな地蔵菩薩があります。笠があるので帽子は不要ですね。よだれかけなら編み応えがある大きさですが、採用してもらえるでしょうか・・・目立ちすぎなければOKかも?

モスクワは涙を信じない 【発見】

Moscow Does Not Believe in Tears (1979) ソ連
Москва слезам не верит
監督:ウラジーミル・メニショフ
出演:ヴェーラ・アレントワ、イリーナ・ムラヴィヨーワ、アレクセイ・バターロフ、ライサ・リャサーノワ

■あらすじ
カーチャ、リューダ、トーシャの若い3人はモスクワの寮で暮らす労働者。
昇進試験を受けたり出会いを求めたりする日々だったが、トーシャは地味ながらも早々と結婚を決めた。残る2人は親戚の家に留守番しに行った機会に大学教授の娘だと嘘をついてパーティを開き、リューダも結婚相手を見つける。カーチャもテレビカメラマンのルドルフと出会って妊娠するが、嘘がバレると捨てられてしまった。

やがて20年経ち、皆いろいろあり・・・。

■雑感/編みどころ
女性3人は、それぞれの道を行きながら20年後も親友なのが良かったです。
カーチャが後半出会うゴーシャが素敵すぎ。

カーチャとリューダが大学教授の高級マンションに滞在して帰る際、エントランスで管理人らしき人が椅子に座って編んでいました。また、カーチャとルドルフが公園(ゴーゴリ並木通り?)で別れ話のとき、ベンチで輪編みしているご婦人がいました。金属製らしき棒針がずいぶん曲がっています。

ホラー・シネマ・パラダイス 【発見】

All About Evil (2010) アメリカ
監督:ジョシュア・グランネル(ピーチズ・キリスト)
出演:ナターシャ・リオン、ジャック・ドナー、トーマス・デッカー、ノア・セガン、カサンドラ・ピーターソン、ミンク・ストール

※ホラーコメディです。苦手な方はご注意ください。
※内容に触れています。

■あらすじ
デボラは内気な女の子。ヴィクトリア劇場という小さな映画館を営む父から「スターの素質」を持っていると言われ、ハリウッド女優になるという期待をかけられている。それに応えようと舞台に上がって歌うが、緊張のあまりおもらしをして感電してしまった(母親は舞台の袖で大笑い)。

時は流れ、図書館員として働くデボラ。亡き父の遺志を継ごうと、劇場をホラー専門の深夜映画館として営業を続けていたが、劇場を売ることにした母はデボラをいたぶって書類へのサインを迫る。追い詰められたデボラはペンを母親の首へ・・・タガが外れた彼女は13金のジェイソンの母が乗り移ったかのよう。自分の「スターの素質」に悦に入るデボラ。その一部始終は防犯カメラに収められていた。

やがて映画が始まらないことに騒ぎ出す(まばらな)観客に気づき映写室へ向かったデボラは、あれこれ操作するうち防犯カメラの映像を再生してしまう。これが本物とは知らない観客に大ウケし、短編映画「監視カメラ殺人」は評判を呼び次作も期待される。こうして殺人映画を撮り始めることになった。

撮影や後始末を率先してやってくれる老映写技師のミスター・トウィグスに加え、7歳から11年病院に入っていた殺人犯の双子、路上強盗犯の男を仲間にして精力的に制作するデボラだったが・・・。

■雑感
タイトルをはじめ、クレジットに出てくるポスター、作中のパロディ映画などあまたの作品にオマージュを捧げているのに加え、ホラー映画好きの高校生スティーブンの母親役が『エルヴァイラ』の人だったり(部屋に貼ってあるエルヴァイラのポスターを本人が見るシーンが良い)、ジョン・ウォーターズ映画の常連ミンク・ストール、監督のピーチズ・クライストが出演もしているなど話題には事欠きません。ジョン・ウォーターズ、フランク・ヘネンロッターも絶賛しているとか。

双子も強盗男も面白いキャラですが、ジャック・ドナーが演じるミスター・トウィグスを一押しです。デボラは誰かに似ているような気がするんだけど・・・思い出せません。映画の結末はちょっと悲しいですが、今のご時世、仕方ありませんね。

■編みどころ
最初の自主製作映画は『二都物語』のパロディでした。
18世紀風の衣装でギロチンの前で編み物をしているデボラ。この編地がなんだか大物です。棒針編みでスカラップ模様みたい。どこから持って来たんでしょう?
編み針で痛くする場面もあり(ハッキリ言いますとグサッとやってます)。

鎌倉 【発見】

報国寺


竹林が有名で、いつも賑わっているお寺です。
門をくぐって直進した右手に帽子姿のお地蔵さんを発見。
何回か見ているはずですが、今までニットには気づきませんでした・・・。

極楽寺


上の報国寺とは正反対の方角です。
こちらはお寺の中ではなく、極楽寺駅からお寺へ向かう道を曲がらずにちょっと行ったところにあります(導地蔵堂の横)。ストリートビュー(2015年9月)では布製のものが掛かっていたので、まだ新しいのですね。