悪魔の微笑み 【発見】

La notte dei diavoli (1972) イタリア/スペイン
The Night of the Devils
監督:ジョルジョ・フェローニ
出演:ジャンニ・ガルコ、アゴスティーナ・ベリ、マーク・ロバーツ、チンジア・デ・カロリス、テレサ・ギンペラ、ウンベルト・ラオ

一応ホラーの部類になっているので苦手な方はご注意ください。
※かなり内容に触れています。

■あらすじ
記憶喪失でボロボロになった男が病院に保護された。
男はショックのせいで口もきけず、暗闇におびえて夜は窓の外を伺っている。彼を知っているステンカという女性がやってきたが、彼女の姿を見ると男は錯乱し逃げ出そうとした。

ニコラスの回想・・・
一週間前、彼は材木の買い付けのため山道に車を走らせていた。
飛び出してきた女を避けようとハンドルを切った際に車が故障し、近くの民家に助けを求める。一家の長は弟を埋葬してきたところだという。家族はほかに弟の未亡人と幼い二人の子供、家長の息子二人と娘一人である。

ニコラスは早く車の修理をしたかったが、夜になると危険だと言われ泊まることにした。彼らは廃墟しかない集落で厳重な戸締りをする。ここにはどんな秘密があるのだろうか。

翌日、家長は呪いを解くと言って出かけ、遅くなったものの戻ってきた。
その後、孫娘がいなくなり、家長が連れ出したのだとわかる。
ニコラスは娘ステンカと惹かれあい、車が修理できて出発する際に一緒に行こうと誘うが、ステンカは未亡人を残しては行けない、いつか連れに来てほしいと言う。
やがて帰ってきた家長は、やはり悪魔にとりつかれていた。

呪いを信じていなかったニコラスだが、村へ行き事情を知る人と山で見たことを話し合ううち、ステンカを助けなければと山へ戻る。そこでは皆の様子が変わっていた・・・。

■雑感
悪魔にとりつかれた者は死んでもじっとしていないで、愛する者を襲うのだそうです。その呪いを断ち切るには心臓に杭を打たなければなりません。とどめを刺して本当に死ぬと、なぜか顔面崩壊するのです。それがニコラスのトラウマになり脳裏に繰り返し現れ苦しみます。

顔面崩壊などの特殊メイクがいまひとつなのと、呪いが突然やってきたような経緯が不明でちょっとモヤモヤします。でも真面目な作りで出演者も良いし、ニコラスがびっくりする結末が良い意味で謎めいていて、単なる怖がらせホラーとは違って切ないです。

この映画はA.K.トルストイの『吸血鬼の家族』の翻案とのことです。(マリオ・バーヴァ監督『ブラック・サバス 恐怖!三つの顔』(1963)の第二話「吸血鬼ウルダラク」と同じ)
原作も読んでみようと思います。

■編みどころ
イギリス式に近いような編み方で、未亡人ヘレンが編んでいました!
幼い娘はかぎ針編みの肩掛け(ケープ?)をしています。