シェトランド

シェトランド島を舞台にしたアン・クリーヴスのミステリ小説で、日本では “シェトランド四重奏” と紹介されていたシリーズがドラマ化されています。

AXN Mystery で4/8放送スタート!
エピソードは・・・
第1話「野兎を悼む春」 (四部作の三作目)
第2話「大鴉の啼く冬」 (四部作の一作目)
第3話「澱んだ水」 (四部作にはない)
第4話「青雷の光る秋」 (四部作の四作目)

ドラマは脚色されているという話だけど評判は良いようで、続編も予定されています。

ダグラス・ヘンシュオールのペレス警部にラテンのかけらもないのが残念ですが、そんな贅沢は言ってられません。小説には編み物が登場していたので、ぜひ映像でも発見したいです。

上野の桜

もう満開になりましたが、金曜日に行ったときにはまだまだでした。
博物館のヨシノシダレは新しくなってます。

いつ花が咲くんだろう・・・。
2013年3月の様子
2014年4月の様子
2014年6月の様子


上野公園は人だらけ。さらに人が集っていたのは樹の上の猫。

おとなしくしているのには何かカラクリがあるのかしら・・・?

もしも君に恋したら。 【発見】

What If (2013) アイルランド/カナダ
監督:マイケル・ドース
出演:ダニエル・ラドクリフ、ゾーイ・カザン、ミーガン・パーク、アダム・ドライバー

■あらすじ
失恋のショックで一年間引きこもっていたウォレスは、友人に連れて行かれたパーティーでシャントリーと出会う。意気投合して電話番号も教えてもらうが、ボーイフレンドがいると聞いてメモを捨てた。偶然再会してやっぱり話が合う二人は、友だちとしての付き合いを始める・・・。

■雑感/編みどころ
久々に爽やかなラブコメを見た感じです。

シャントリーと妹、友達2人を加えた4人が毛糸屋さんで編んでいます!
うしろで別のお客さんも編んでいる様子。
4人はおしゃべりが忙しくて、あまり手が動いていません。
この The Purple Purl というお店はトロントに実在していて、Googleマップのストリートビューで映画のまんまの外観が見られました。

予告編 1:44~に毛糸屋さんのシーンが入っています。
(日本版DVDの発売元の予告編にはこの場面無し。さすがアルバトロス)

善人サム 【発見】

Good Sam (1948) アメリカ
監督:レオ・マッケリー
出演:ゲイリー・クーパー、アン・シェリダン、エドマンド・ロウ、ジョーン・ロリング

■あらすじ
サムは有名百貨店の支配人で、妻のルーと幼い息子と娘の四人家族である。
暖炉のあるアーリー・アメリカン風の家を買うのがルーの夢。それが叶わず借家暮らしをしている原因は、サムが人を助けずにはいられないという度を越した慈善家で、困っていると聞けばお金を貸してしまい住宅資金が貯まるどころではないから。
サムの思いやりの後始末に追われ、ルーの我慢もついに限界へ・・・。

■雑感/編みどころ
サムは百貨店で、買い物ではなく道案内を求めたおばあさんに丁寧に対応します。
親切を喜んだおばあさんは戻ってきて編み針を買いたいという話になり、サムと一緒にいた百貨店の社長と3人で盛り上がります。
お:ひとりになったから 編み物でもしようかと

社:すると 靴下かお人形でも編むおつもりで?

お:とっくりのセーターを考えてるの キリン用に

(間があって一同笑い)

サ:本当は何を?

お:誰もが編んでる アーガイル模様の靴下をと

サ:初心者には難しい
  まずは― 運針と刺繍を習うといいでしょう
  うちにも教室が

社:無料です
底なしのお人好しのサムも、支配人になるくらいだから有能なのです。
的確なアドバイスをしますが、この訳はどうなんでしょう。運針の部分は “knit and purl” なので良いとして、刺繍の部分は “basic stitches” のように聞こえました。編み物の話だから「基本の編み方」くらいが適当?

しばらくしてサムは百貨店でおばあさんに会います。
彼女は3階の編み物教室に通っていて、編んでいるアーガイル模様の靴下を見せてくれます。今度サムにも編んでくれるとか。
しかしアーガイル模様の靴下は人気だったのですね~。誰もが編んでるなんて!

また、サムがお金を貸している元隣人の若夫婦に近く子供が生まれるようで、奥さんがかぎ針編みをしています。おそらく赤ちゃん用のものでしょう。

というわけで、編みシーンは少しですが話題は多い映画でした。

シャーロック・ホームズの愛弟子

『疑惑のマハーラージャ』 ローリー・キング

The Game (2004) 山田 久美子 訳(集英社文庫)

シリーズ第7作。
前作から数週間後の1924年、ある重要人物と連絡が取れなくなったと兄のマイクロフトから告げられたシャーロック・ホームズと妻のメアリは、何が起こっているのか探るべくインドへ向かいます。

この消息不明の人物とはキプリングの小説『キム少年』の主人公で、ホームズは若い頃のキムとチベットで親交があったという設定です。
ホームズとメアリがインドで出会う人々も今までになくユニークで、イギリスの支配力が弱まって何事か企んでいるようなマハラジャも得体が知れずなかなか面白かったです。

キプリングの『キム少年』がスパイ小説であることも、評価が非常に高いことも知らなかったので今度読んでみようと思います。

愛弟子シリーズはこの後もう数作出版されています。
どんどん翻訳してくれないかな・・・。

愛は降る星のかなたに 【発見】

1956年 日活
監督:斎藤武市
出演:森雅之、山根寿子、浅丘ルリ子、高田敏江、浜村純

■あらすじ
ゾルゲ事件の首謀者の一人として死刑になった尾崎秀実をモデルにしている。

第二次世界大戦中、坂崎はソ連のスパイとして逮捕された。
何も知らなかった家族は打ちのめされるが、妻は弁護士を通じて夫の信念がどのようなものか理解しようと努力する。獄中の坂崎は妻と娘に宛て二百通を超える手紙を残した。板崎が死刑になり戦争が終結したのち、妻は書簡集を出版する・・・。

■雑感
スパイ事件そのものよりも、夫婦愛をメインに描いています。

本筋とは関係ないのですが、娘が両親に向かって「チチ」「ハハ」と呼びます。逮捕された父親を案じて就寝中に「チチ、チチ」とうなされたり、出版された書簡集が好評なのと裏腹に沈んだ表情の母親に向かって「ねえハハ、明るい顔になりましょうよ」など。
尾崎家でもこうだったのか、映画の脚色なのかはわかりません。
90年代の某漫画にもこの表現がありましたが、その昔、実際に使われていたとしたらいつ頃からあったのでしょう? 何か流行のようなものがあったのかどうかも興味あります。

■編みどころ
妻が棒針で輪編みをしていました!
映画の前半と後半の2回登場し、時期が違うので編んでいる物は異なりますが、どちらもウェアの一部のような輪編みです。

左手糸をかける編み方で、フランス式というより左手のアメリカ式?のように見えました。

もう一息・・・

メンズセーターの編み込み部分ができました。
あとは合体させて一色でぐるぐる編むだけです。

袖の模様を始める段を間違えました。
身頃と同じじゃないんですよ・・・それを編み図から読み取れてなくて、途中で気が付いてガックリ。お手本では身頃より袖が4段長いんです。
まあ、袖が長いのは嫌いみたいだからちょうどいいやってことにしておこう。

さらになぜか片方の袖の目数が最終的に3目くらい多くなっているし。
ちょっと適当すぎるのでは・・・。

ホーリー・マウンテン 【発見】

The Holy Mountain (1973) メキシコ、アメリカ
監督:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演:アレハンドロ・ホドロフスキー、ホラシオ・サリナス、ラモナ・サンダース

■あらすじ
高い塔のてっぺんに錬金術師が住んでいる。放浪中の泥棒が金を手に入れようと忍び込むが、錬金術師の凄技に恐れ入って弟子入りした。
そこで欲望稼業で富を得ている7人を紹介され、錬金術師とその助手とともに、不老不死の秘密を知る賢者たちが住むという聖なる山に向かう・・・。

■雑感/編みどころ
かなり久々に見てみたら少し印象が違っていました。
編み物発見!効果で若干の評価アップもあり。

7人のうちのひとり、政府の財務顧問(?)の夫婦は大蛇を子供のように可愛がっています。妻がカラフルな縞々の筒状のものを編んで蛇に着せるシーンがあります!

セーターかと思ったけど尻尾まで包んでいるので(鱗があるから頭から入れるはずなのに下から穿かせている!)、パンツというかジャンプスーツというか・・・頭と尻尾の先がちょっと出てます。首のところで紐を結ぶデザイン。

一応、棒針で編むような仕草はあるのですが、編み目はどちらかというとかぎ針編みのように見えて・・・よくわかりません。

蛇のセーターの話は『変身パワーズ』にもありました。
これはメジャーなのかなと調べてみると・・・蛇がニットを着ている画像(というか、頭を入れると進むしかない?)は結構ありますね。蛇を飼っていたらやってみたくなるかも。

三ばか大将 【発見】

The Three Stooges
Three Pests In A Mess (1945)
 アメリカ
監督:デル・ロード
出演:カーリー・ハワード、ラリー・ファイン、モー・ハワード、クリスティン・マッキンタイア

■あらすじ
3人組は自分たちが発明した革命的ハエ取り器のために10万ドル必要だと話す。これを小耳にはさんだ女は彼らが10万ドル持っているのだと勘違いし、我が物にしようと迫る。ドタバタが始まり、銃で男を撃ってしまったと思った3人は、死体(実はマネキン)を袋に入れて逃げ出した・・・。

『三ばか大将』の短編映画シリーズのひとつです。

■編みどころ
編みシーンはないのですが、籠に入れた毛糸に編み針が何本も刺してあり、ここにカーリーがずり落ちてお尻に刺さるという場面と、女が編み針つきの編み物をカーリーに投げつけ、カーリーの頭に穴が開くという場面があります。

該当シーンは3:45~5:10の間。

動画サイトで Three Pests In A Mess (1945) で探すと見つかると思います。

幽霊塔の原作

『灰色の女』 A・M・ウィリアムスン

A Woman in Grey (1898) 中島賢二 訳(論創海外ミステリ)

ようやく黒岩涙香版『幽霊塔』の原作である本書を読み終えました。

涙香版は人名や場所の名前が変えられていたので、ほかにも大きな変更が加えられているのだろうと思っていたら、省略と誇張はあるものの全体としては原作にかなり忠実でした。

涙香版の登場人物のキャラは全体的に濃く、主人公はより尊大に、ヒロインはより崇高に、サスペンス部分は強調され、悪く言えばくどいので読み終えた際にはその大仰さに辟易していましたが、『灰色の女』を読んでみると原作はあっさりしてて物足りなく思えたりもします。
涙香版が当時の文体なので、現代の翻訳の原作と比べて古く感じるという面もあります。

涙香版の養蟲園は原作より不気味だし、パリの医者の部屋の印象も強烈です。
そういえばこの辺りは乱歩がとても好きそうなのに、乱歩版ではさほど怪しさは感じませんでした。何故でしょうね? この話のロマンス面を重視したのでしょうか。

原作、涙香版、乱歩版、それぞれに良さがあるというありがちな結論になってしまいますが、原作が発表されて間もないうちに『幽霊塔』のような翻案に仕上げた黒岩涙香を素直に賞賛したいと思います。


少し期待した編み物は登場しませんでした。
1920年にアメリカで映画化されているので、これもチェックしてみるつもり。