赤い手のグッピー 【発見】

Goupi mains rouges (1943) フランス
監督:ジャック・ベッケル
出演:フェルナン・ルドゥー、ロベール・ル・ヴィギャン、ブランシェット・ブリュノワ

■あらすじ
パリから遠く離れた片田舎で暮らすグッピー家は、メスーとチザン夫婦を中心に、一族だけで閉鎖的な大所帯を作っている。

106歳の長老のひ孫にあたる娘ミュゲが年頃になり、メスーは離婚した妻との息子ユジェーヌをパリから呼び寄せて二人を結婚させることにした。ユジェーヌが村に着いた夜、長老が心臓麻痺を起こし、札束が消え、一家を切り盛りしていたチザンが殺されているのがみつかる。警察に知らせると厄介なことになるため自分たちで解決しようとするが・・・。

■雑感
登場人物はほとんどグッピー家の人々です。彼らはあだ名で呼び合っていて、長老はエンペラー、ユジェーヌはムッシュ、おじのレオポールが赤い手など。

殺人事件の真相は大したことないのですが、エンペラーが喋れなくなり、彼だけが知っている宝のありかがわからなくなるという話を織り交ぜて、ミュゲとムッシュがいい感じになっていったり、エンペラーはじめとぼけた面々の様子を描いているユニークな映画です。チザンには気の毒だけど、雨降って地固まる的に一家の将来も明るくなりそうな雰囲気。

■編みどころ
テーブルを囲んで女たちは繕い物や編み物、男たちも手仕事の時間です。
ミュゲが金属製の細い棒針で輪編みしています!
右手で糸をかける編み方で、大きさからすると靴下かもしれません。
後の場面では別の女性が、やはり同じようなものを編んでいました。
手に糸のかせを持たせて玉に巻くシーンもあり。

天使を送って

Real Life – Send Me An Angel ’89

1983年に発表され、89年版が再ヒット。
寝起きに浮かんできてるのはどっちなんだろう・・・むかーし何かのCMに使われていたような気もするし、カバーもされているのでどのバージョンかわかりません。


83年版のほうがクラップ音みたいなのが効いてて好き。
ビデオはいまいちというか、メンバーのビジュアル不要かな。

なぜかこの曲をペット・ショップ・ボーイズだと思っている人が多いのですが、リアル・ライフの代表曲です。スコーピオンズの同名の曲も別物です。

ニット展

伊勢丹府中店6階特設会場にて、27日(火)午後5時まで開催されている『北欧伝統ニットと愉快なガラス工芸、2人展』にお邪魔しました。
ニットは田志口正恵さん、ガラスは長嶋貴子さん。

21日から開催されていて行ったのは24日だったのですが、帽子などかなり売れてしまったとのこと。エスカレーター脇の小さなスペースだけど伺った際にもお買い上げの方が。



ハンドウォーマーの中央のものは、手のひら側は編み込みではないのです。
表に見えるのは一色だけで、もう一色のほうは裏側を渡して行ってます。北欧の織物みたいな編み方だと教えていただいたのですが、名前が憶えられませんでした。あとで調べてみなくては。

帽子にもこのテクニックを使ったものがありました。
伸縮性はあまりないけれど、編み込まずに糸を連れ回せるのは魅力ですね。

右の三角の模様のものは配色糸の部分が裏編みなので、微妙に凹凸が出て面白い表情。


サンカ柄のプルオーバーはシェットランドレース2ply、またまた細いので!!
ブロックの隙間が手袋なんかより開いていることについて聞いてみたら、「本当はもっと開けたかったけど糸を渡す限界で・・・」「ただ並べるんじゃなくてぽつぽつと置いてみたいけどそうもいかなくて・・・」とおっしゃってました。


またまた刺激をもらった展示でした。
今年はもう一度あるかも・・・というお話なので楽しみです。

前回の2013年の展示会は → 隅田川ほとりへ

ラベンダー・ヒル・モブ 【発見】

The Lavender Hill Mob (1951) イギリス
監督:チャールズ・クライトン
出演:アレック・ギネス、スタンリー・ホロウェイ、シドニー・ジェームズ、アルフィー・バス

■あらすじ
銀行で働くホーランドは、上司からは正直なだけが長所だと思われていた。
金の精錬所から銀行への金塊輸送の監視を任されて20年、安い給料に甘んじて真面目に勤めながら、金塊を自分のものにする策はないものかと夢想する毎日。問題は金塊を海外へ運び出す方法だけだった。

ある日ホーランドが暮らすラベンダーヒルの民宿に、ペンドルブリーという男が引っ越してきた。彼の仕事は土産物の鉛の文鎮を作って輸出することで・・・。

■雑感/編みどころ
トタバタ劇で気楽に楽しめる映画。主人公の仲間がどうなったのかちょっと気になるけど、そういうのを省いてスッキリまとめたのもセンスでしょうか。

ホーランドは同じ宿に住むチョーク夫人に犯罪小説を朗読するのが日課のようで、この日も定時に仕事から帰るや朗読をはじめ、チョーク夫人は編み物をしながら聴きます。
エンピツ持ちのイギリス式でしっかり編んでいます!
編地はガーター編みのように見えました。

結婚の夜 【発見】

The Wedding Night (1935) アメリカ
監督:キング・ヴィダー
出演:ゲイリー・クーパー、アンナ・ステン、ヘレン・ヴィンソン

■あらすじ
作家のトニーは処女作が売れたものの、そのあとはスランプ続き。
生活を変えるため15年ぶりに故郷のコネチカットの屋敷に帰ってみるが、田舎に嫌気がさした妻はニューヨークに戻る。トニーは未開拓の土地を売ったことで知り合いになった隣人のノヴァック一家を題材に小説を書こうと思い、娘のマーニャと親しくなり・・・。

■雑感/編みどころ
良い場面もあったのに、トニーが煮えきらなくてスッキリしない結末です。

マーニャは親の決めた婚約者との結婚が迫り、女性たちが集まって準備をしています。
その部屋でおばあさんがフランス式のような編み方で編んでいました!
一家はポーランドから来たとのことなので編み方も欧風なのかも。

セーターの肘当てその後

セーターに肘当てをして快適に着用中・・・のはずが、思わぬ報告を受けました。

「デスクが青くなっちゃった」
「えっ、編集長が青ざめてるって?」
「編集長なんていません。OAデスク、机ですよ机」
「はぁ!?」


なんということでしょう・・・いつの間にかデスクが青く染まっていました!
今までいかに肘を擦りつけていたかの証明のようで笑えますね。そりゃ穴も開きますって~。でも色が取れないかもしれないのは笑えないかな。

縫いつけ用の穴もあったので簡単にできて喜んでいましたが、スワッチの切れ端でも貼り付けたほうがよかったかも。皆様もお気をつけください。

使用したのはKAWAGUCHI(河口)の「本革ひじあて 縫い付けタイプ 紺」

関連記事:
メンズセーター中断
メンズセーター再開

その後:
2015日本ホビーショーにKAWAGUCHIが出展していたので、一応話してみました。
混んでいたのでそそくさと去りましたが、うまく伝わったかなー?
改良されますように・・・。

私の殺した男 【発見】

Broken Lullaby (1932) アメリカ
The Man I Killed
監督:エルンスト・ルビッチ
出演:フィリップ・ホームズ、ナンシー・キャロル、ライオネル・バリモア

■あらすじ
第一次世界大戦のさなか、フランス軍兵士のポールはドイツ兵を殺した。
死の間際、ドイツ兵はポールの手を借り恋人宛ての手紙にウォルターと署名する。
手紙には、パリに2年住みフランス人が好きになっているのになぜ殺し合わねばならないのかと綴られていた。オーケストラでバイオリンを弾いていたポールとっては、ウォルターの荷物に楽譜があったことも衝撃であり、戦時だからという割り切った考えが出来ずに苦悩する。

戦争が終わり、ポールはウォルターの故郷を訪ねて家族に会おうと決意した。
フランス人を敵視するドイツ人ばかりの中、ウォルターの遺族はポールが亡き息子の友人だと思いもてなしてくれる。ウォルターの恋人もポールに好意を持つようになり・・・。

■雑感
シリアスなテーマのドラマで、ポールの悩みっぷりが本当に深刻なのでどうなるのかと危ぶまれますが、そこは監督の腕とライオネル・バリモアの好演でほっとさせられる作品になっています。

■編みどころ
ウォルターの両親が部屋でくつろいでいます。
父は横になり、母は腰掛けて編み物。
棒針で右手で糸をかける編み方で、多めの編地ができていてウェアの袖あたりを編んでいるように見えます。床に置いた洗面器かカゴのような中に糸が入っていました。

愛しすぎた男 【発見】

パトリシア・ハイスミス著
This Sweet Sickness (1961) 岡田葉子 訳

■あらすじ
デイヴィッドは紡績会社で働く優秀な技術主任である。
収入はじゅうぶんあり、本来の希望の研究職に転職の日も近い。
週末は施設にいる母と過ごすと言って下宿を留守にする彼は、近所では品行方正な天才科学者として通っていた。しかし実際は変名で借りた家に滞在し、愛するアナベルと結婚する日を夢見ている・・・。

■雑感
アナベルはデイヴィッドを恋人として見たことはなく別の男性と結婚しています。デイヴィッドはそんなことは問題にせず、何かの間違いでそうなっているだけで、自分と結婚するのが正しいと思い込んでいます。今で言うストーカーに近いのですが、アナベルを非難することはなく、彼女の夫や理解してくれない周囲の人だけ敵視するのがちょっと違うような気がします。

主人公の性格や、殺人を犯してしまって成り行き任せなところなどは著者のリプリーシリーズに似ています。とばっちりを受けた人は迷惑でしかないけど、同情すべき点も・・・?

■編みどころ
同じ下宿に住む老婦人がデイヴィッドにソックスを編んでくれたり、彼の母にはベッドジャケットを編んでくれたりします。編み物に関する記述はいくつかあり、そのひとつは
・・・何か編み物と本を膝にのせていた。本の上には長方形の拡大鏡が置いてある。彼女はそれをずらしながら本を読み、同時に編み物をするのだ。
すごーい!


このあとに読んだ著者の作品、無実の罪で服役し、受けた仕打ちによって人生が変わった男性の物語『ガラスの独房』(1964)には以下のような場面が。
ヘーゼルには、アイルランド製でオフホワイトの手編みのセーターを買った。
どんな感じだか想像してしまいます。

メンズセーター身頃

どこかで見かけたようなセーターかも?
身頃の脇まで来ました。
急がなくてもよくなったせいか、あまり進んでいません。

アクセントになる水色ですが、下の方で使っている色がパッとしないので上の部分は違う糸にしてみました。断然いい!全部こっちにすればよかったな・・・。

袖を同じように編んでから脇から上を合体させる編み方です。
サイズは大丈夫そうだけど念のためもう一度測っておこう。

ナイト・チャイルド 【発見】

Night Hair Child (1971) イギリス
What the Peeper Saw
監督:ジェームズ・ケリー
出演:マーク・レスター、ブリット・エクランド、ハーディ・クリューガー

■あらすじ
妻を亡くした文筆家のポールは若く美しいエリーズと再婚する。
ポールは仕事でパリに滞在するためエリーズはマドリード郊外の家でひとり過ごすはずが、そこには12歳の義理の息子マーカスが寄宿学校から戻ってきていた。
実はマーカスは問題行動で退学になっており、どうやら先妻の死にも関係しているらしい・・・エリーズは疑いを募らせてゆく。

■雑感/編みどころ
悪い子供を描いた映画は多々ありますが、その観点からするとこの作品はちょっと違っていて、思春期の少年マーカスは邪悪というよりエロい下心が先立って、それが弱味でもあります。
お話としては先妻がいた頃の家庭の状況などもう少し描き込んでほしかったし、映像的にも緊張感不足なのですが・・・残念な感がしつつも編み物発見!効果と出演者に免じて評価5割増し。

追い詰められたエリーズは精神の均衡を崩し入院します。
病院の待合室に座っているおばさんが、イギリス式と思しき手つきで編んでいました!