リプリーシリーズ3作目

『アメリカの友人』 パトリシア・ハイスミス

Ripley’s Game (1974) 佐宗鈴夫 訳

映画化の『リプリーズ・ゲーム』(2002)に手編みのセーターが登場していたので、原作にもあるのでは? と読んでみましたが、編み物は出てきませんでした。

原作と二つの映画化『リプリーズ・ゲーム』と『アメリカの友人』(1977)について。
『リプリーズ・ゲーム』を見た時点では、こちらのほうが原作に忠実なのだろうと思いましたが、原作を読んでみるとそうでもありません。トムが結婚していたり、住んでいる屋敷や細かい設定は原作に近い面もあるけど、人物像が違うというか・・・。

ヴィム・ヴェンダース監督の映画『アメリカの友人』は、トムの風貌なんかはまるでかけ離れているのだけど、額縁職人ヨナタン(ジョナサン)が軸になって謎めいた展開があります。トムについてはまるで説明不足なんですが、それがかえって一方的に引き込まれる形のヨナタンの状況と相まって、彼に感情移入させられます。

映画『アメリカの友人』はヨナタンの物語で、原作もその印象が強いです。そのほかの登場人物も興味深くて、その後ろにトムがいるって感じ。でも映画『リプリーズ・ゲーム』はトムの話になっちゃっているように思えました。

そしてニコラス・レイが演じていた画家が、あのダーワットだったとは!?
ダーワットという画家は、リプリーシリーズの小説では前作の『贋作』に登場しますが、その時点でもう故人とされています。魅力的な人物で、彼の死後も生きていると偽り仲間が贋作を作っていたことが物語の骨子でした。それをこの映画の中では贋作画家(自分自身の?)に仕立てているなんて(昔の記憶なので詳細不明、見直してみなくては)。

存在感ありすぎなアイパッチ姿のニコラス・レイ、ラストの砂浜のシーン、ブルーノ・ガンツとデニス・ホッパーの笑顔・・・やっぱり比較にならない! 『リプリーズ・ゲーム』は、見た直後はそう悪くないんじゃないかと思ったのに、原作を読んだり、ヴェンダース版を思い出したりしているうちどんどん評価が下がりました。今や編み物発見効果でかろうじて踏みとどまってるかも。


ここまでで、リプリーシリーズの映画化されているものを見て原作を読みました。
どれも一長一短ですが、あれこれ比較してみるのが楽しいです~。

リプリーシリーズではなく、原作にも映画化にも編み物発見!の『ふくろうの叫び』。
この作品の2009年の再映画化 “The Cry of the Owl” (パディ・コンシダインとジュリア・スタイルズ出演)を、若干期待してチェックしましたが・・・編み物も登場せず話もいまいちでがっかりでした。

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