明治時代の翻案1冊

『幽霊塔』 黒岩涙香

かなり前から読み始めていたのですが、何度も中断してやっと読み終えました。
最初は面白く読んでいたけど、事の成り行きに予想がついてからも長々と大仰な物言いが続くのに閉口してしまって・・・。

『幽霊塔』はイギリス人女性アリス・マリエル・ウィリアムソン作『灰色の女』の翻案です。
当時はまだ外国人の名前に馴染みがないせいか、舞台は英国なのに名前だけが日本風に変えられています。主人公は丸部道九郎、婚約者お浦、ヒロイン松谷秀子といった具合。
でも主要な人物以外はそのままだったりしてちぐはぐです。
まあ、現代でも外国人の名前はわかりにくいですからね。

江戸川乱歩がこれを更に翻案しているので読んでみようかな。
そういえば天知茂が明智小五郎のドラマ『江戸川乱歩の美女シリーズ 』の「大時計の美女」が『幽霊塔』(『時計塔の秘密』?)を基にしていたけど、こんな話だっけ? とか、原作の『灰色の女』も興味あるし・・・などといろいろ見ていたら、なななんと『幽麗塔』なるコミック化もされているのですね。
全然知らなかったのでぶったまげました。
原作者が見たらぶっ飛びそうな内容だけど、これはこれで面白そう。
乱歩のおかげか、本国より知名度があるのでは・・・。

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