美女ありき 【発見】

That Hamilton Woman (1941) イギリス
監督:アレクサンダー・コルダ
出演:ローレンス・オリヴィエ、ヴィヴィアン・リー

■あらすじ
安いワインを盗んで投獄された女がいた。
名前を聞かれた彼女はエマ・・・ハミルトン夫人と答え、身の上を語り始める・・・。

踊り子から美貌と才能で身を起こし、ナポリの英国大使ハミルトン卿の妻となったエマ。
その魅力でナポリ王妃とも親交を深め、やがてネルソン提督と互いに家庭がありながら愛し合い、娘もできる。しかしハミルトン卿が財産を失い亡くなる中、提督も海戦に向かうのだった。

■雑感
映画の冒頭、ハミルトン卿の屋敷でエマの肖像画を見たフランス大使が「これほど美しい女性が存在するわけがない」と言います。この絵はジョージ・ラムニーが描いた Emma Hart in a Straw Hat の顔をヴィヴィアン・リーにしたものでした。他の肖像画も見ると、実際のハミルトン夫人はヴィヴィアン・リーとはまた違うタイプの、とても愛らしい人だったようです。

映画ではエマが道ならぬ恋の罪深さを嘆いたりもしますが、当時は大胆な公認状態で、それゆえ大スキャンダルだったとの事。映画制作時の情勢で戦意高揚を重視したため、ロマンスはやや控えめな?表現になったらしいけど、史実に近い映像化作品があるなら見てみたいです。
主演のヴィヴィアン・リーとローレンス・オリヴィエが不倫の末、結婚に至ったというのと重なりますが、提督の妻のほうは厳しい態度で離婚に応じません。

■編みどころ
提督がロンドンに帰国した際、関係者一同がホテルに集まる場面があり、提督の妻がエマと会話しながら編んでいます。わりと太糸でイギリス式の手つきでした。

奇しくも『ブロンテ姉妹』と同じく、妻が編み物する傍らに、夫に横恋慕する女という構図です。
おまけにどちらも威圧感のある年上の妻で、何だか象徴的な感じも・・・。

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