華麗なる対決 【発見】

Les pétroleuses (1971) フランス/イタリア/スペイン/イギリス
監督:クリスチャン=ジャック
出演:ブリジット・バルドー、クラウディア・カルディナーレ、マイケル・J・ポラード

■あらすじ
舞台はフランス人が開拓した西部の町。
列車強盗でお尋ね者のギャング団「フレンチ・キング」の正体は、BBを首領とする5人姉妹であった。父親が縛り首になり跡を継いでいたのだが、盗品の中に牧場の譲渡書を見つけると、足を洗って持ち主になりすまそうとやってくる。
一方、町を牛耳っていたサラザン一家も娘の代になり、CCは弟4人を率いて暮らしていた。
彼らは偶然、例の牧場から石油が出ることを知り、買い取ろうとするのだが・・・。

■雑感
BBの妹たちが4人、CCの弟たちが4人・・・
想像通りのお気楽なフレンチ・ウェスタン・コメディです。
ファッションに見どころがあり、犬やサボテンの小ネタも面白くて気に入ってしまいました。
BBもCCもお姉さんすぎるんじゃないかとか、マイケル・J・ポラード扮する保安官のボケがイラっとするとか全然なく、とてもキュートな作品です。2人の組んず解れつのファイトも見もの。
これは “編み物発見!映画” の評価5割増し効果でしょうか!? いやいや、そんなことは・・・。

■編みどころ
終盤の列車の中、新婦が赤ちゃんの靴下のようなものを編んでいます。
細い金属製の棒針で輪編みをしていて、毛糸の玉を転がせるのが合図になる場面。
最初の強盗シーンでも糸玉を落とした娘がいましたが、こちらは編み物かどうかわかりません。
針に糸を通そうとしているようにも見えます。

イマジカBSで観たけどフィルムが退色したような画質でした。
DVDも良くないみたいなので残念です。もっとクリアなのを出してくれないかな~。

追記:
序盤にポーチでご婦人が何か手仕事をしています。
ボビンレースではないかと思うのですが、筒状の枕みたいなものを立てた状態で作業していて、立ち去るときに抱えて行くのが丸めたヨガマット風でした。

その後:
DVDを確認。放送時とは比較にならない鮮やかさで、じゅうぶん許容範囲です。

前日談2本

遊星からの物体X ファーストコンタクト (2011)

南極のノルウェー基地近くの氷の下から宇宙船が発見された。
氷漬けの生物らしきものも見つかり、早速掘り出して調査を始めるが・・・。

『遊星からの物体X 』(1982)が大好きなので、その前の話であるこのファーストコンタクトはどんなものかと、少し期待して見てみました。
序盤は悪くないかもと思ったけど、物体が暴れだしてからはちょっと待て、と。

確かに前作でアメリカ隊が発見したものから想像できる通りの事が起きるのですが、そのあれやこれやがアメリカ基地での内容をなぞった、半分リメイクみたいになっているんです。
前作を観ていなければ、これはこれなりだろうけど、「ノルウェー基地ではこんなことがあったの?」という驚きが無いのが残念でした。

前作では物体の異常さに呆れたりする場面が、登場人物にも見る側にもあったように思います。
今回の登場人物は必死なだけの一本調子で面白味がありません。
絵に描いた物体にしか見えないCGもあって、質感に一貫性が無いのもマイナス。

文句ばかり書いてますがこれも愛すればこそで・・・。
今回のも新しいアイデアがあったし、割と良くやっていると思います。
ラストはサントラを前作から持ってきて、前日どころか当日の、そのまま前作のオープニングに繋がるようになっています。続けて前作を観たくさせるような感じに・・・。

この音楽にヘリの音、物体の咆哮と火炎放射器の音などが醸し出す世界が懐かしく、帰りたくなります・・・おっと、せっかく生き物がいるところへ来たのに、また氷漬けにされるのはイヤ・・・え?


プロメテウス (2012)

科学者が地球上の複数の古代遺跡から共通のサインを発見した。
それを分析し、地球を出発したプロメテウス号は未知の惑星にたどり着いた・・・。

『エイリアン』(1979)に特に思い入れは無いので気軽に見てみました。
直接の前日談とは違うようですが、前の時代であることは確か。「人類の起源の謎」と聞くと凄そうだけど、宣伝文句のように「全ての謎が明らかに! 」はなっていません。

今回の登場人物は科学者たちなのに行動が愚かすぎだとか、どう考えてもおかしなことがあったりするけど、これはきっと目くじらを立てるものじゃなくて、山のように作られたエイリアン亜流へのオマージュか、セルフパロディなんだと思って楽しく見ました。
だけど続編を作るのだったら、今度こそ本当に謎を解き明かしてもらわないと困ります。
監督には、何をしても良いから『ブレードランナー』だけはいじらないでほしいと思うだけです。


2本とも本編しか観ていません。
機会があればコメンタリーや未使用シーンなどもチェックしたいな。