超自然2本

悪霊喰 (2003)

若い司祭が恩師の死に不審を抱き現場へ赴く。そこには何やら儀式の跡が・・・。
えぐそうなタイトルですが、正しくは悪霊を喰いません。それらしき悪いものは出てくるけど、おどろおどろしくないし、映画の宣伝としてホラー色を強調しすぎなのでは。

司祭は「罪食い」という、臨死の人間の罪を喰って魂を救う存在と対決します。それって良い奴なんじゃ? と疑問ですが、勝手に救われては困るので、教会側に立つと悪い奴なんでしょうか。
何を期待するかにもよるけど、主人公の新たなる旅立ちを描いた爽やかな作品に思えました。


恐怖ノ黒電話 (2011)

離婚手続き中に新しいアパートの一室に引っ越したメアリー。部屋に据え付けの電話機に過去から女性が電話をかけてくる。やがて女性の行動により現在に変化が・・・。

過去と通信して現在が変わるというアイデアは新鮮ではないけど、電話の向こうの人が何をしでかすかわからないので不安を煽ります。ただ、終盤になると主人公の視点への信頼が揺らぎ、禁断のオチを警戒してちょっと醒めた目で見てしまい損したかも。

月光の女・手紙 など 【発見】

ベティ・デイヴィスの主演作、どちらも発見済みですが、日本版DVDで再チェック。

月光の女

The Letter (1940) アメリカ
監督:ウィリアム・ワイラー
出演:ベティ・デイヴィス、ハーバート・マーシャル、ジェームズ・スティーヴンソン

■あらすじ
夫の留守中に知人男性に言い寄られ、やむなく彼を射殺したという妻・・・。
彼女は本当のことを言っているのだろうか?

■雑感・編みどころ
編んでいるのはモチーフつなぎのかぎ針レースのようで、ベッドカバーとの事。
編み物をはじめたのは辛い心を紛らわすためでは?と思わせる話も出てきます。


ラインの監視

Watch on the Rhine (1943) アメリカ
監督:ハーマン・シュムリン
出演:ポール・ルーカス、ルシル・ワトソン、ジェラルディン・フィッツジェラルド

■あらすじ
反ナチの活動家とアメリカ人女性の夫婦の話。
妻の実家であるワシントンD.C.に子供たちと共に帰ってきたが・・・。

■雑感・編みどころ
これも細かそうな・・・レースでしょうか、かぎ針編みをするシーンがあります。

2本とも客間などで編むのですが、その際に編み物をバッグから取り出します。レース編みや細糸でかさばらないものだから・・・また、家が広くて持ち歩くというのもバッグを使う理由かもしれません。
この編み物を入れたバッグは、ある時代の映画の中ではよく見られるのですが、木製や金属製のハンドルで口が大きくガバッと開くものなんです。

実物も昔はよく見かけました。グラニーバッグみたいな感じで竹製などの円形の持ち手がついているもの(画像のはちょっと違うし大きめですが)、今でも持ち手が販売されているから、バッグも存在しているんじゃないかと思います。何という名前なのでしょう?

ふと「手芸バッグ」という言葉が浮かんで検索してみたら、たしかにこんな感じではあります。それでいいのかな? 英語での言い方はやっぱり「グラニーバッグ」??


映画の話に戻りますが『月光の女』はモームの戯曲『手紙』の再映画化です。
最初の映画化は1929年で、画質は良くないけどネット上で見ることができます。

手紙

The Letter (1929) アメリカ
監督:ジャン・ド・リミュール
出演:ジーン・イーグルス、レジナルド・オーウェン、ハーバート・マーシャル

動画サイトに無かったら Internet Arcive で見られます。
レースを編むようなシーンは 03:20~あたりから。

1929年版と1940年版、内容はかなり違うのに双方に編み物が出てくる、ということは原作にもありそうではありませんか! 要チェックです。

アウトランダー2冊

「燃ゆる十字架のもとに(1)(2)」 ダイアナ・ガバルドン

The Fiery Cross (2001) 加藤洋子 訳

『アウトランダー』シリーズの13、14冊目です。
舞台がアメリカに移ってからは物語への興味が薄れていましたが、新しい登場人物にも慣れてきたのと、過去にまつわる話が出てきたのでやや盛り返しました。
(3)(4)でどんな展開になるのか楽しみです。

ミュージックビデオで 【発見】

Al Yankovic – Amish Paradise

映画『デンジャラス・マインド』で使用された Coolio “Gangsta’s Paradise” のパロディ。
編みシーンは最初にちょこっと。


Eurythmics – Beethoven (I Love To Listen To)

編み物は良妻の象徴?
編みシーンは最初と途中に。


Billy Idol – Dancing With Myself

汗まみれのビリー・アイドル。
編みシーンは 0:25 あたり。ロープみたいなんですが・・・この世界からしてかなり意味不明だし、これが何なのか悩んでも仕方ないか。

激怒 【発見】

フリッツ・ラング監督作でいくつか編み物を発見しているので、未鑑賞だったものをチェックしたところ見つけました! 監督が、というより編み物が身近にある時代だったのだと思います。

激怒

Fury (1936) アメリカ
監督:フリッツ・ラング
出演:スペンサー・トレイシー、シルヴィア・シドニー、ウォルター・エイブル

■あらすじ
身に覚えの無い誘拐犯だと疑われ、リンチで殺されそうになった男の怒りを描く。

■編みどころ
離れて暮らす婚約者からの手紙を読む女性の傍らに、編み物を入れた籠が置いてあります!
残念ながら編みシーンは無し。


以下の作品には編み物は登場しませんでした。

マンハント (1941)

ヒトラーの狙撃未遂という濡れ衣で捕らえられた男の反撃。

外套と短剣 (1946)

原爆開発競争の最中、ドイツとイタリアに協力させられている研究者を救う物理学教授の活躍。

復讐は俺に任せろ (1953)

(ビッグ・ヒート/復讐は俺にまかせろ)
ギャングのボスが警察幹部と癒着、疑いを持つ警部は妻を殺され復讐を誓う・・・。

ミステリ2本

デス・パズル (2005)

少女が殺害された事件の30年後、かつての同級生が次々と不審死を遂げる・・・。
ロバート・カーライル主演のテレビドラマです。
もうちょっとひねりが欲しかったし疑問もいろいろ残りますが、もっとハードなものを連想させる邦題が良くない、ってのを差し引くと普通です。


ゼロ時間の謎 (2007)

叔母の別荘に新婚の甥夫婦、甥の前妻、彼女を慕う親戚の男、新妻の元彼などが集まる。さらに叔母と親しい弁護士も訪れる中、犯人の計画が実行される・・・。

タイトルが凄そうだし、アガサ・クリスティの原作が評判良いからと勢い込んで見たら、なかなか事件が起こらない(←これがゼロ時間!)ので途中で焦れてきます。この辺りまではまだ緊張感もありますが、事件が起こってからは緩むという変な感覚で戸惑います。
シリアスなのを予期しすぎて外された感かも。
終わってみると意外と悪くなかった・・・と思えるのは終わり方が良いからでしょう。
警視のユーモラスな調子は映画ならではなのかな?
内容的に、ちょっとスッキリしないこともあるので原作を読んでみます。

酷使したベストを休ませる

この時期(すでに遅めだけど)、梅雨に入る前にニットを片付けたくて洗ったり干したりします。洗ったら干すのは当たり前ですが、洗うほどではないのも一応干してから収納。
そして傷み具合もチェック・・・

これはたた&たた夫の編物入門の「ツイードの前あきベスト」です。
この糸の耐久性がないのか、ベストというものが傷みやすいのか、はたまた着方が悪いのかわかりませんが、裾や衿ぐりがたちまちほつれました。
編み直しても同じことなので、ニット用ミシン糸で補強しています。
何度かちょこちょこ修理しても違う所がほつれたりしてくるので、一度徹底的に伸び止めのようなこともして補強、それ以降は大丈夫です。

表から見るとほとんどわかりませんが、さすがに数年経った頃からはインナー的に。
かれこれ10年以上?もっている、というよりもたせていますが・・・本体もペラペラになってきたので新しいものを編んで後継にしたい・・・と毎年思っています。

フェアアイルのベスト、これは5年ものくらい?
裾や袖ぐりがほつれてきたので上のベストと同じように補強してます。

しかし油断していたら、今年は衿の真ん中にほつれが!
ちょっと隙間ができちゃったから、毛糸も使って修理しないといけないかも。
本体はちっとも傷んでいないのになー。

でも修理は次シーズン前にやることにして、今はこのままお休みいただきます・・・。

ジェームズ・カーン2本

映画のメモを書くとき、何でくくるか考えたりします。
ジェームズ・カーンは私の中では『ローラーボール』 (1975) の人というイメージが強かったけど、2本続けて出演作を見て、ローラーボール色が薄れたのでくくってみました。

ザ・クラッカー/真夜中のアウトロー (1981)

凄腕の金庫破りが、足を洗って妻と子供との普通の家庭を持とうと決意し、最後の仕事を成し遂げるが、約束を守らないボスの仕打ちに怒り、夢をあきらめて単身殴り込む・・・という話。

金庫をぶっ壊し、家を爆破し、車を燃やし、銃をぶっ放す・・・なんて騒がしい映画になりそうですが、アクションものにありがちの盛り上げ音楽ではなく、タンジェリン・ドリームのシンセサウンドが使われていて、作品に独特の雰囲気を与えています。

主人公は真っ直ぐな人なんですね。女性に対しても押しの一手で。
だからボスへの復讐を果たした上で家庭も持つ、などと都合の良いことはできずに筋を通します。


フェイク・クライム (2010)

犯罪映画、クライム・サスペンス・・・といった売りがされていますが、静かなロマンティック・コメディの印象。原題が Henry’s Crime なんだけど、この Crime も銀行強盗の意味だけじゃなくて、主人公の今までの生き方のことも含まれているんじゃないかなーと勝手に思ったりして、邦題だと底が浅いような気がします。

主人公には「そろそろ子供が欲しい」って言うきれいな奥さんがいるのに何故か上の空、家庭も仕事も心ここにあらずの様子でしっくり行っていません。
やりたい放題の元同級生に唯々諾々と従い、いつの間にか銀行強盗の犯人にさせられて服役、奥さんにも離婚されるという超受け身人生。なぜあんな腹話術人形みたいな男の言いなりなってるの!?・・・でも子供の頃からのこういう関係って、他人にはうかがい知れないものがあるのでしょう。出所した主人公は女性と出会い、やっていなかった銀行強盗を本当にやろうと計画します・・・。

主人公と手を組む仲間が、「じいさん」と言われて熱くなるジェームズ・カーン!
こちらは自称詐欺師なのでタイプは違うけど、両方とも金庫を狙うから『ザ・クラッカー』の主人公の老後?なんて妄想がふくらんでしまいます。30年も経てばこんな感じになってないとも限らないし・・・とか、男のロマンぶち壊しでしょうか。じいさんかもしれないけど、逞しくて渋い魅力あり。

手編み風なニットの登場数が、さりげなく多いような気がしてなりません。
この程度でも編み物発見!に入れているものもありますが、もうちょっと編地のアップなどあれば良かったな~。

Monkey Grip 【発見】

Monkey Grip (1982) オーストラリア
監督:ケン・キャメロン
出演:ノニ・ハズルハースト、コリン・フリールズ

■あらすじ
ヘレン・ガーナーの半自伝的小説を基に、離婚して娘と暮らす女性と麻薬中毒の恋人との関係を描いています。特別なことが起きるわけでもなく、やるせない日々が淡々と過ぎてゆきます・・・。

■雑感・編みどころ
女性の娘役をヘレンの娘アリスが演じていて、この娘(11歳?)がアメリカ式で編んでいました!

主人公は音楽業界の仕事をしており、劇中で Divinyls が扮するバンドをデビューさせます。
演奏だけではなく、クリッシーが演じるアンジェラのレコーディングシーンや主人公との会話などもあり、単にバンドが映画に出ているという以上の登場です。

前回の記事「Divinyls クリッシー追悼」でのビデオクリップ集を出してほしいという希望とともに、この映画の日本版DVDの発売も希望です。
(Divinyls が出演していなければそれほど魅力的な映画ではないのですが)
US版も出ていないので無理かもしれないけど、ぜひ字幕つきで映像特典も見たいのです。
この映画には編み物発見!もあるし、願いは切実!



imdb の Monkey Grip (1982)
allmusic の Monkey Grip [EP] (サウンドトラック)


画像はオーストラリア版DVDの裏表紙より。
左下がクリッシー(この頃はクリスティーナ)。